五輪の映像を“宇宙中継”で世界へ 巨大アンテナ[2021/07/22 20:02]

1964年の前回のオリンピックに向けて、インフラ整備が急ピッチで進み、景色が大きく変わりました。
当時の映像を、シリーズで公開します。

=======

東京オリンピックをテレビで世界に伝えるため、“宇宙中継”で映像を送る計画が進みます。

映像は茨城県多賀郡十王町(現・日立市)に建設中の国際電電宇宙通信実験所です。
1963年7月7日午後、追尾用パラボラアンテナで、アメリカの通信衛星「テルスター2号」の追尾実験が行われました。

安定した追尾が行われ、軌道についての完全な記録もとれました。
実験は成功しました。

オリンピックの中継に使われる通信衛星「シンコム3号」が1964年8月19日にアメリカ・フロリダ州のケネディの宇宙基地から打ち上げられ、世界初の静止衛星として赤道上空の最終静止点に到着すると、9月12日夜11時から翌朝にかけて、「ループテスト」が実施されました。
ほぼ完成していた茨城県鹿島町(現・鹿嶋市)にある郵便省の電波研究所鹿島地上局から試験信号を送り、衛星を中継して戻ってくるかを確認するのです。
このアンテナの直系は送信用が10m、受信用が30mで、東洋一と謳われました。

テストの成功で、「東京オリンピックの宇宙テレビ中継ができることが確実になった」と、当時のニュースは伝えています。

※この映像にはナレーションはありません。ご了承ください。

こちらも読まれています