「酸素ステーション」なぜ利用が進まない?[2021/08/27 18:00]

 東京・渋谷に設置されて23日から運用が始まった「酸素ステーション」ですが、救急車を要請したコロナ患者のうち“軽症”と判断された人を一時的に受け入れる施設になっています。130床が用意されて医師や看護師も常駐しているのですが、27日までの5日間で利用者はわずか17人ということです。なぜ、東京の酸素ステーションの利用が進まないのでしょうか。東京都庁クラブから報告です。

 (社会部・伊興田愛結記者報告)
 理由の1つとしては、軽症者を対象としていることが挙げられます。

 この酸素ステーションに入るためには自分で救急車を呼ぶ必要がありますが、実態としては救急車を呼ぶ人の多くはすでに軽症ではなく、かなり症状が悪化していて、酸素ステーションではなく病院に搬送されることも多いと聞いてます。

 現在、用意されている130床に対して25日の時点で累計の利用者は17人と稼働率が高いとは言えない状態です。

 27日の会見で小池都知事は、酸素ステーションを病院方や施設方など患者の状態に合わせて分類しました。

 渋谷の酸素ステーションは軽症者のための施設です。

 小池知事は同じ分類の施設をさらに早ければ9月中旬にも東京・築地にある東京オリンピックパラリンピックの施設を活用して、150床から200床規模の施設を新たに設置する予定だと発表しました。

 一方、中等症の患者のためと分類される酸素ステーションは都立公社病院3カ所で100床設置されていますが、こちらの利用も26日の時点で約30床の利用にとどまっています。

 都によりますと、施設で働く医療従事者が十分に確保できないなどの問題もあるということで、ある都の幹部は「酸素ステーションやワクチン接種会場、入院待機ステーションなど医療人材を分散させすぎた。戦略を再構築する必要もある」と話しています。

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