予報士のつぶやき「140年ぶり!ふか〜い部分月食」[2021/11/17 13:31]

今週末、今年の中でもトップレベルの天体ショーが見られます。
19(金)の夕方から宵のうちにかけて、「部分月食」が起こります。
今回の部分月食は、普通の部分とは異なり、月の大部分が地球の影に隠れる、言ってみれば、“ほぼ皆既”月食、“大変深ーい”部分月食となります。
また、今回よりも食分が大きく、日本全国で食の最大が見られた部分月食は、1881年12月6日以来、140年ぶりの珍しい部分月食となります。

19(金)の夕方、満月が東の空からのぼってきますが、
月の出から地球の影に入る「月出帯食」となります。(月の出:東京16:28頃、福岡17:10頃)
そして、欠ける割合が大きく、食の最大は、18:03頃(全国で同じ)で、食分が0.978と月のほとんどが地球の影に入ります。
月食が終わるのは、19:47頃で、その後は、いつものまん丸い満月に戻ります。

ということで、今回の“ほぼ皆既”月食をまとめると
・夕方から宵のうちで時間が早く、お子さん含めて家族で楽しめる
・東の空、のぼって早い時間に食の最大を迎えるため、見上げる必要がなく、あまり首が痛くならない
・ほぼ皆既月食のため、ぼんやり色(赤銅色)が見られる可能性がある
・一瞬でなく、じっくり観察することができる
・まだ真冬の寒さではなく、そこそこの防寒対策でOK

問題は、天気ですが、
今のところ、関東から西では、よく晴れて、最後まで月食を楽しめそうです。
北日本は、やや雲が多くなりそうですが、雲の合間や雲越しに見られるチャンスがありそうです。

今年は、2回月食があり、前回は、5月26日に皆既月食がありました。
ただ、この時は、本州に前線が接近して、西から東日本は、雲に覆われて、見ることができませんでした。
今回は、見える所が多くなりますので、非常に期待が持てる月食となります。
約3時間半の天体ショー楽しみにしましょう!

ちなみに次回、日本で見られる月食は、来年2022年11月8日に起こる皆既月食です。

テレビ朝日気象デスク 田中秀明

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