ミャンマーに帰国できず…「特定活動」3500人が申請[2022/01/06 11:49]

 混乱が続くミャンマー情勢を受け、国内のミャンマー人の在留と就労を特例的に延長する措置について、去年5月からの半年間で、およそ3500人が申請したことが分かりました。

 ミャンマーでの軍事クーデターを受け、出入国在留管理庁は、国内にいるミャンマー人が引き続き在留を希望する場合、最長1年間の在留と就労を特例的に認める措置を去年5月から始めています。

 この「特定活動」について、半年間でおよそ3500人が申請し、このうち3300人が認められたことが分かりました。
 
 中部地方のプラスチック工場で技能実習生として働いていた女性は、任期を終え、6日に在留期限を迎えましたが、帰国後の迫害などを恐れ、「特定活動」を申請しました。

 中部地方の工場で働いていたミャンマー人女性:「ミャンマー人の多くは親の面倒を見ています。そのために日本に来ました。11万円の給料から、1万円だけ食費で、残り10万円は仕送りします。もうミャンマーに帰れない。両親のことをいつも思い出します。会いたいです。」

 一方、難民認定については、去年3月までにおよそ3000件の申請がありましたが、認められたのは、16件にとどまっています。

 現在、難民申請中の人でも、今回の「特定活動」に在留資格を変更することは可能です。

 去年6月末時点で、日本に住むミャンマー人はおよそ3万7000人います。

 実習先から失踪して、不法滞在となった元技能実習生なども含まれますが、今回の「特定活動」は、そうした「自己の責任に帰すべき事情」で、在留資格を失ったミャンマー人に対しても、緊急措置として適応されます。

 ただし、1週間の労働時間は28時間以内に制限されます。

 一方で、技能実習の任期が満了を迎えたもののミャンマーに帰国できず、「特定活動」への在留資格の変更方法も分からずにそのまま不法滞在となる元技能実習生もいます。

 違法なブローカーが「特定活動」への在留資格変更を代行する代わりに、法外な手数料を請求したり、不法滞在となったミャンマー人らを工場などに派遣し、不法就労させるケースも確認されました。

 出入国在留管理庁は、「今持っている在留資格の期間が過ぎて不法滞在になってしまう前に、近くの入管に問い合わせてほしい」として、ホームページやSNSなどを通じて呼び掛けています。

 ミャンマーでは、軍に抵抗する市民ら1400人以上が死亡するなど情勢が不安定なままで、今後も改善しない場合は、1年を超えても、「特定活動」の在留資格の更新が可能となります。

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