京都・祇園祭3年ぶりの「山鉾巡行」に見物“14万人” 一方で中止決断の夏祭りも[2022/07/17 22:30]

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中で迎えた3連休。
政府は現段階で「行動制限は必要ない」としていますが、戸惑いの声も上がっています

▽コロナ“第7波”も…京都・祇園祭に14万人
京都の夏を彩る、祇園祭。今年は、新型コロナの影響で、中止となっていた最大の見せ場、「山鉾巡行」が3年ぶりに行われました。
開催日の17日が、ちょうど日曜日と重なったこともあり、この賑わいです。
多くの見物客が見守る中、23の山と鉾が、祇園囃子とともにゆっくりと都大路を進みます。
交差点にさしかかると、車輪の下に、青竹を敷き、水で滑りを良くして。
「はーよいよいよーいとせ、はーよーいとせ。」
大きいものでは10トン以上もある「鉾」を、曳き手が、90度方向転換させます。
この「辻回し」は「山鉾巡行」の見所の一つで、どうしても見物客が集中。身動きもとれない状況です。実は、この祇園祭、日本各地に疫病が流行した平安時代初期(869年)に、疫病退散を祈ったことが起源とされています。
(京都在住の見物客)「開催されただけで、ほんまに嬉しいし、ほんま良かったです。嫌ですよね。ほんまに、コロナが増えるってね。」
(滋賀県からの見物客)「また増えてきているけど、ワクチンを打って、重症化しないんだったらちょっと緩和されてもいいんじゃないかなって思います。」
警察によると、沿道には、およそ14万人が見物に訪れたということです。

▽コロナ“第7波”で中止決断の祭りも
一方、中止か…開催か…揺れる“祭り”もあります。
「こちらの自治会館では、2週間後に予定されている地元夏祭り開催の是非を問う会議が行われています。」
神奈川県川崎市宮前区。50年続けてきた「納涼盆踊り大会」の準備をしてきました。
「カメラは中に入れませんでしたが、協議はまだ続いています。」
3年ぶりとなる今年は、盆踊りのやぐらとステージを設置。地元のご当地アイドルも呼び盛大な納涼会を予定しています。中止となると準備費など、およそ50万円の損失が出るといいます。
果たして町内会が下した結論は…自治会長が取材に応じました。
(宮前区長沢自治会 齋藤英男会長)「結果的には中止という事で皆さんが納得してくれた。一人一人の全部の意見を聞いて、完璧な感染対策が難しいので…」
“夏祭り中止”の決定に、地元住民は…
「中止になった原因がコロナということだと仕方ないのかな」
「京都の祇園祭の話もあったとは思うんですど大規模な所でお祭りはやるけれどこういうちょっとした地方自治体でお祭りをやらないというのは…」
開催の1カ月前に“祭りの中止”を決めた商店街もあります。
例年、30万人もの人が集まる東京・麻布十番祭り。今月7日に中止を発表しました。
(麻布十番商店街振興組合 平野一夫理事長)「大きい祭りなのでギリギリ中止は難しい。食材を準備したりアルバイトを手配したり、キャンセル料がかなり発生しますので…」
“中止の可能性もあり”で進めてきた準備。用意したポスターやうちわも、夏祭りなどの文字を入れずに使い回せるよう考慮したといいます。
(平野一夫理事長)「残念です。悔しいです。」
番組で関東近郊の夏祭りを予定している30カ所に取材したところ、25の主催者が「感染状況によっては中止を考えている」と回答。
不安を抱えながらの3度目の夏です。

▽“ワクチン敬遠”若者世代に変化も
17日、東京の新規感染者は1万7790人。6日連続で1万人を超えました。
重症者は前日から1人減って13人、病床使用率は37.5%です。
急激な感染拡大で、ワクチン接種率の低い30代以下の若い世代にも変化が…
(佐々木一真アナウンサー)「こちらは東京都立川市にあります大規模接種会場です。いま続々と会場の中に入っていきますね。今月に入って接種を希望する人が、若年層を中心に1.5倍ほどに増えているといいます。」
(大学生)「ワクチン接種3回目です。部活していて大会も近いので打っておきたいなと思って。周りもけっこう受けている人が多くなっています。」
(高校生)「学校でも感染者が増えていて夏休み期間中、外出とかも増えると思うので、やっぱりワクチン打ったほうが安心かなと思ったので」
(大学生)「ちょっと帰省するからそれも兼ねて受けようかなみたいな。田舎と都会の価値観が違うので。“東京の人はコロナ“っていうのがまだちょっとあるので、打ったよという安心感みたいなのはありますね」

▽往診も患者倍増 半数以上が若者
夜間や休日の訪問診療の現場では、往診が前の週に比べ2倍以上に増え、その患者の半分以上が20代以下の若者だと言います。
母親「熱が出たのがたぶん今日の2時過ぎとかに38.5℃」
38℃を超える発熱と鼻水の症状がある5歳の男の子。抗原検査をしてみると…
医師「一瞬で線が出てきたのでやっぱり新型コロナウイルス感染症の確定診断となります」
ファストドクターでは、。患者の陽性率が50%を超えています。
母親「2月に私もこの子も1回コロナにかかってるので、2回目はちょっとかかりづらいかもなんて言われてたのですが…」
医師「今流行ってるBA.5は免疫をすり抜けたりして」
先に感染した母親から子どもへの“家庭内感染”とみられます。
医師「解熱剤とせき止めたん切りのお薬を出しておきます」
この日、往診した5人のうち3人がコロナ陽性でした。
(ファストドクター代表 菊池亮医師)「基本的には感染力の高いウイルスですので、家庭内の感染っていうのはやむなしと感じています」
東京都によると、 およそ7割が“家庭内感染”だといいます。

一旦、家庭内で感染者が出てしまうと仕事にも影響が…
2人の子どもがいるAさん一家。15日、7歳の長男の陽性が判明しました。
「隣のクラスが学級閉鎖になったりとか、個人的には学校なのかなっていうのは正直ありますね。(熱は)38.5とか38.6とか、基本的には元気いっぱいなんで」
下の子は、まだ4歳、完全に隔離することが難しく、家庭内感染が心配だといいます。
「お兄ちゃんに絡んでいっちゃうので、どうしようもないんですけど、ちょっと怖いですね」
Aさん自身は、体調に異変はないものの、濃厚接触者で、出社できないため、すでに仕事に影響が出始めています。
「いろいろ会社さんに訪問しながら研修をしたり、何かを話す機会が多い仕事なもんですから、それの数とか成果によって、お給料も変わってくるのでやっぱり在宅って言われると困っちゃいますね。」
長男の発症日が、おととい。
Aさんは、仮に検査で陰性だとしてもしばらくは、自宅待機が続くことになります。
「すぐに何かしらの検査を受けて、あなたウイルスは持ってないですよって話であれば、濃厚接触者に対しては、緩めても良いんじゃないかな」


7月17日『サンデーステーション』より

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