児童相談所の元職員の男性が設置者の千葉県に対し、未払い賃金の支払いなどを求める訴訟を起こし、第一回口頭弁論が開かれました。男性は、職員の待遇を改善し、子どもたちへのケアを向上させてほしいと訴えました。
市川児童相談所の元職員・飯島章太さん(28)は人手不足や夜勤などの長時間勤務によってうつ病を発症し退職を余儀なくされたとして、千葉県に対し、慰謝料や未払いの賃金などおよそ1200万円の支払いを求める訴訟を起こしています。
飯島さんは、2019年から児童指導員として、児童相談所が保護を必要と判断した子どもたちが生活する「一時保護所」で勤務していました。
弁護団によりますと、当時、飯島さんが勤務する一時保護所では、常態的に定員の2倍を越える子どもを抱えていて、昼の休憩はとれず、夜勤時は廊下で寝るような状況だったということです。
第一回口頭弁論後の会見で飯島さんは、「一時保護所で、子どもたちが傷ついたり、事件があっては絶対にいけない」と述べ、訴訟は金銭が目的ではなく、職員の労働環境を改善し、子どもたちへのケアを充実させて欲しいと訴えました。
千葉県によりますと、2019年1月に起きた野田市内での女児虐待死事件以降、児童相談所の職員数を増やし、一時保護所の定員をおよそ1.5倍にするなど、環境改善に取り組んでいるということです。
県の児童家庭課は、今回の訴訟に関し「裁判中なのでコメントできない」としています。
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