予報士のつぶやき 東京の木枯らし1号 8mの壁[2022/11/15 13:24]

13日に近畿地方では木枯らし1号が吹き、
きのう14日は全国的に冷たい北風が吹きました。

木枯らし1号は近畿地方と東京地方のみで発表され、
それぞれの発表基準は、
期間など少し違う点があります。

【近畿の木枯らし1号の基準】
期間  :霜降(10月24日ごろ)〜冬至(12月22日ごろ)
気圧配置:西高東低の冬型
風向風速:北よりの風が吹き、最大風速8m以上

【東京の木枯らし1号の基準】
期間  :10月半ば〜11月末
気圧配置:西高東低の冬型
風向風速:西北西〜北 最大風速8m以上

特に近畿地方は主要都市の数地点が
この基準を満たせば発表されるのに対し、
東京地方は東京都心で
この基準を満たさないと発表されません。

■最大風速8mの壁
きのう14日、東京都心でも
発表一歩手前となる
最大風速7.0mの北北西の風が吹きました。
7m以上8m未満で
ギリギリ木枯らし1号になりきれない風
というのは実はこの時期あるあるで、
東京地方で木枯らし1号が発表されなかった
去年(2021年)をみても
10月20日 北西7.0m
10月23日 北西7.3m
と冬型の気圧配置のタイミングで
8m近い最大風速を観測しています。
7mと8m、あまり差がないようにみえても
木枯らし1号になるかどうか
この1mには大きな違いがあるのです。

やはり、ニュースなどで
木枯らし1号が吹いたと伝えられると
冬の訪れ、空気の乾燥、火の用心、
こうしたことが一般の方々にも
意識してもらいやすいため、
半月であと何回チャンスがあるか
注目している気象予報士は多いはず…

■次のチャンスは?
目先、冬型の気圧配置となるのは
あす16日と22日で、
より風が強まるのは22日となりそうです。
8mの壁を越えられるのか、
東京の風を予想しながら季節の歩みを感じています。



テレビ朝日気象デスク 久能木百香

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