都立高入試の英語スピーキングテスト 現役教師からも中止求める声[2022/11/19 12:34]

 今年度の都立高校入試に初めて導入される英語のスピーキングテストがおよそ1週間後の今月27日に迫るなか、公正性が保たれないとして現役の教師からも中止を求める声が相次いでいます。

 スピーキングテストはおよそ8万人の中学生それぞれがタブレット端末に音声を吹き込む形式で行われ、2月の入学試験の得点と合算され合否が判定されます。

 試験がおよそ1週間後に迫るなか、問題になっているのが体調不良などで受験しなかった生徒の扱いです。

 東京都教育委員会は来年2月の英語の筆記試験で、同じ得点だった生徒のスピーキングテストの平均点を付与するとしていますが、これによって受験しなかった生徒が実力以上の得点を付与され順位が逆転する可能性があるというのです。

 都立高英語教師:「スピーキングテストの結果を筆記試験から推定するというのも理解できないし、場合によっては『逆転現象』が起こると指摘もされていますが、もし合格ラインのところで起きた時に一体どうするのか大きな疑問」

 都内公立中英語教師:「ひとの点数(平均点)が入るということ。そんな入試は聞いたことがないので、入試として不完全であると感じています」

 専門家は今年度は試験的に実施して検証すべきと指摘します。

 神奈川大外国語学部・久保野雅史教授:「入試に使うのはやめてほしい。実際に今年の都立高校入試でどのくらい差が出たか、逆転現象が起きたかというのが分かった段階で来年度、入試に使っていいのかどうかを再度きちっと議論をすべき」

 一方、都教委は「入試の構造に問題はない」として、予定通り27日にスピーキングテストを実施する方針です。

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