目指すは「循環型経済」の実現 プラごみを”自動仕分け”「赤外線」使った最新技術[2022/12/30 19:08]

 来年4月からプラスチックの分別が強化されることに伴い、ごみの出し方が変わろうとしています。こうしたなか、回収したプラスチックを「自動で仕分ける」最新の技術に注目が集まっています。

 コンビニ店などのストローが紙に変わるなど、話題となったプラスチック新法。来年4月からはさらに家庭ごみの分別が強化され、燃えるごみとして出されていたハンガーやおもちゃなどを「資源」として分別回収することが自治体に求められることになります。

 神奈川県横須賀市は、分別が強化されることを受け、最近完成したばかりのリサイクル工場と連携することを決めました。色や大きさ、硬さも異なるプラスチックから素材を見極め、投入からわずか4分で透明な容器やトレーなど5種類に分ける最新の技術。ポイントはプログラムされた赤外線です。

 TBM横須賀工場・福山雄介工場長:「(プラスチックには)それぞれが持っている波形がある。自分が認識している波形と同一ならほしいものという感じで選別しています」

 この工場を手掛けているのは、「TBM」という会社。石灰石を使ってコップやパンフレットなどを作ってきましたが、新たにプラスチックのリサイクルを変えようとしています。

 環境省によりますと、日本のプラスチックの有効利用率は85%。一見、高くみえますが、多くはプラスチックを燃やした時に出る熱を発電などに使っているだけで、再び製品として生まれ変わる「マテリアルリサイクル」は全体の20%ほどになっています。生まれ変わった製品の用途が限られていることなどが課題です。

 素材ごとに集められたプラスチックはペレットと呼ばれるリサイクルの原材料に生まれ変わります。

 TBM横須賀工場・福山雄介工場長:「種類ごとに物理的特徴や物性がある。メーカーで使う際に単一原料が望ましいかなと」

 TBMでは、レジ袋などのペレットとハンガーなどのペレットから傘を作り出すことに成功しています。

 TBMプラント事業部・杉山琢哉部長:「プラスチックの『マテリアルリサイクル率』を全国的に高めていくきっかけの存在でありたい」

 TBMでは今後、国内に10カ所の拠点を作り、リサイクルの循環型経済を展開していきたいとしています。

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