史上最大“開かずの金庫”ミステリー 中から財宝が…“ゴールドラッシュ”状態に[2023/01/28 11:00]

24時間365日、あらゆるカギのトラブルを解決する「カギ開け仕事人」。今回は、いまだかつてない“開かずの金庫”ミステリー。

空き家から見つかった大正時代の金庫の開錠に挑む。その行方を追跡すると「純金の宝」が次々と出てきました。

■仕事人“超ハヤワザ” アイス溶ける前に開錠

午後10時半、底冷えする冬の夜にSOSが届きました。

仕事人:「お待たせしました。カギ屋です」

依頼人は、都内に住む40代のカップル。一体、何があったんでしょうか?

男性:「気持ち良くお酒飲んで帰ってきて…帰ってきたら…カギがない…。いつもここに入れてる感じです。本当にないんですよ」

千葉県への温泉旅行を満喫し、上機嫌で帰ってきたところ、カギがないことに気付いたといいます。しかも、不運なことに…。

女性:「(Q.お姉さんはカギは持っていない?)いつもは持っているけど、きょうは置いてきちゃった。置いてきてるというか…すぐそこ(玄関)の引っ掛ける所に」

男性:「(Q.あ!部屋の中に!?)悔しいわ!悔しい!」

女性:「それが悔しい!」

まさか家に入れなくなるとは思わず、コンビニで買い物していたカップル。

男性:「買ってきたアイスが溶ける前に…」

アイスが溶ける前に開けることができるのか?目を付けたのは、ドアの「のぞき穴」。ここから特殊な工具を差し込み、開錠を試みます。

作業開始から、わずか20秒、期待に応える超ハヤワザで開錠に成功しました。

職人:「空きました!」
女性:「すごーい!」
男性:「マジか!?」

合いカギも、確かに、ちゃんと室内にありました。

男性:「アイスが溶ける前に終わって良かったです!」

とはいえ、楽しい旅行の最後に手痛い出費。しかも翌日、お土産袋の中からカギが見つかったそうです。

■思わぬ“障害物”に大苦戦…“最終手段”に

別の日の午後10時、仕事人はいつもとは勝手が違う扉に苦戦をすることに。依頼したのは、都内のアパートに住む、20代の会社員です。

男性:「きのう(家の)鍵をなくして探したけど…なかったんで、きょう依頼した。なので、ホテルに一泊して、きのうはしのぎました」

一日かけて探したものの発見できず、仕事人にSOSを出したんです。ところが…。

仕事人:「このカギ自体はピッキングできない。今回、のぞき穴がないということで、普通にカギを開けることができない」

それでも、なんとかするのが仕事人の真骨頂。ドアの郵便受けから、特殊な工具で開錠に挑みます。しかし、作業開始から10分。なにやら雲行きが怪しい様子です。

鍵職人:「ちょっと待って下さいね。これ(工具)が引っ掛かって…」

ドアの向こうで、何かが作業を邪魔しているというのです。すると…。

男性:「そこ(玄関に)自転車が置いてる」

仕事人:「自転車があります?」

男性:「ママチャリなんですけど。ちょうどこの前、(自転車が)パンクしたので(玄関で)修理しようとしていたんですよ」

まさかの事態。意図せず玄関に置いた自転車が、邪魔になっていたのです。

職人:「自転車の車輪が当たっちゃう…」

思わぬ障害物に大苦戦。

職人:「は〜あ。(自転車が)動かないな…」

作業開始から1時間、気温1.5℃の寒空の下、これ以上待たせるわけにもいかない。そこで…。

職人:「鍵穴を壊して、交換する最終手段になるかもしれない」

これが最速の手段。カギを壊して開けることに…。

鍵職人:「これで空きました。お待たせしました」

ドアを開けると…。

鍵職人:「あ〜!これは倒れないか…」

ちょうどカギの正面に、自転車が!新しいカギに交換し、作業は終了。不運が重なり、手痛い出費となりました。

男性:「やっぱり玄関でパンク修理してはいけないですかね」

いやいや、そもそもカギをなくさないように気を付けましょう。

■“ゴールドラッシュ”状態に「笑うしか…」

快晴の日、仕事人の元に、かつてない依頼が入りました。

仕事人:「すみません。よろしくお願いします」

依頼人は50代の兄と妹の兄妹です。

男性:「こちらになります」

現場は、築年数も定かではないという一軒家でした。

男性:「靴は脱がないでいいですよ」

鍵職人「本当ですか?」
男性:「土足でいいですよ」
女性:「(Q.このままでいいですか?)ネズミとか色々アレなので…このままどうぞ」
女性:「そのままどうぞ」

一体、どんな事情があるのでしょうか?

男性:「潰す予定の廃墟で。数年ぶりに来たら『あれ?金庫がある』って…」「(Q.うわっ!え…これですか!?)これを開けて頂きたいと、思ってるんですけど」

それは、かなりの年代モノと思しき金庫でした。

鍵職人:「でも大正、昭和(初期)そこら辺の年代のものだと」

そこには、右から「間宮式標示器」の文字があります。大正時代に金庫を製造していた「間宮堂」による、およそ100年前の金庫ではないかといいます。

依頼人:「ここに金庫があったとは、先週初めて知りました」

聞けば、ここは、2年前に他界した、兄妹の父親の家。部屋の整理に訪れた際、発見したといいます。兄も妹も、その存在を全く知らなかったのだとか。

仕事人:「思っている以上に、重厚なものだと思いますよ。あまり当たらない、この型には。滅多に当たらない」

仕事人によると、非常に珍しい金庫で、一般の家庭で所有するような代物ではないといいます。

仕事人:「例えば会社を創設したとかで、寄贈されたものとか…そういうタイプの金庫」

男性:「会社をやって…なかった…?やっていた…?」
女性:「さぁ〜…」
男性:「起業って感じじゃないよね?」

全く心当たりがないという依頼人。父親は、会社経営者ではなかったといいます。謎に包まれた“開かずの金庫”。その開錠は、一筋縄ではいきません。

仕事人:「(鍵職人)10年ぐらいやっていて、2回目ぐらいですね。この金庫当たるの。これ前回やった時、開けるの半日かかりました。いや、下手したら、もうちょっとかかる可能性も全然あるんで」

このダイヤル式金庫。構造が複雑な可能性があるため、開錠時間は読めません。

仕事人:「壊して開けるかもしれない」
女性:「全然壊して頂いても…」

仕事人が選んだ方法は、内部を確認するために金庫に穴を開け、特殊な道具でのぞきながら、ダイヤル番号を探っていきます。“謎の金庫”が見つかった父親の家。他にも歴史を感じるモノが至る所にあります。

女性:「東武(百貨店)が4周年の時の!」

創業60周年を迎えた池袋東武百貨店の、56年前のチラシやレトロな巻尺があります。

女性:「長さを測る…巻尺ですかね…」

金庫の中にも、年代モノが眠っている可能性を期待してしまいます。

さらに、一般家庭とは思えぬほど立派な「お稲荷さん」まであります。

男性:「見当つかないですよ。何かあるような…空っぽのような気もするし」
女性:「もしかしてね…」

謎が深まる一方、作業開始から20分。それは、突然でした。

仕事人:「カチャ!開きました」
女性:「開いた?すごーい!素晴らしい!」

“開かずの金庫”の開錠成功しました!

女性:「すごーい!うわ〜!」
男性:「家紋も入っている」

果たして、中には何が…?

男性:「ハコがある」
女性:「ちょっと重たい…」

金庫の中に置かれていた灰色の箱には、依頼人が、想像もしなかったものが入っていたのです。

女性:「何だろ…これは…小判だ!!わぁ…えーーー!」

なんと、見るも鮮やかに光り輝く小判がありました。さらに!

女性:「重たいよ、金だ。金だ!棒…延べ棒。まあ〜!!!」

なんと純金の延べ棒まで!しかも!次から次へとザクザク出てくる、まさに“ゴールドラッシュ”状態です。

女性:「あら〜!すごい…50円…日本銀行…」

さらに、聖徳太子の100円札など、古い紙幣が、ピン札の状態で、次々と!依頼人の息子が、スマホで相場を検索してみると…。

息子:「金が(1グラム)8730円…」「だから、それでも、もう4000万円」

男性:「笑っちゃうしかない…」

結果、金の小判が2枚に、純金の延べ棒12本。純プラチナの延べ棒7本。金塊や古い紙幣の束など、分かっただけでも、なんと総額6000万円以上のお宝が出てきました。

女性:「え〜?まさか…まさか…」
男性:「びっくり以外何にもない」

しかし、気になるのは、この財宝のそもそもの持ち主ですが、金庫の中を調べたところ、どうやら依頼人である兄妹の祖父が、代々続いた問屋の息子だったようです。

祖父は、およそ80年前に亡くなっていたため、兄妹とは全く面識がなく、知らなかったといいます。父親でさえ、開けたことがなかったのではといいます。

男性:「これからちょっとずつ…まずはみてもらってる税理士さんにちゃんと言わないと…いくらするんだか…」
女性:「すごい税金を払いそうだね…うれしいけど…うれしいけど」

男性:「所詮、国に持ってかれちゃうんですからね」

まだ、整理がつかない様子の依頼人ですが…。

男性:「自慢げに、開けたポーズを撮って頂けますか?」

見事に開けた仕事人を記念撮影。

仕事人:「とりあえず開いて、安心して頂いたたことが、僕は一番。期待に応えられたことが良かった」

こちらも読まれています