ウクライナからの避難民、日本語学校の理事長の発言に『謝ってほしい』[2023/02/27 23:22]

 群馬県の日本語学校でウクライナからの避難民との間に授業料の支払いなどを巡るトラブルが起きています。27日、ウクライナ人の学生が会見し、「理事長に謝ってほしい」と話しました。会見では他にも学校側の不適切な言動も明らかになりました。

 前橋市の学校法人「NIPPON ACADEMY」の日本語学校に通うウクライナ人のルニン・ウラディスラブさん(24)が27日、群馬県庁で会見しました。

 ルニンさんはウクライナからの避難民で、無償のはずだった学費を学校側から請求されるトラブルについて話しました。

 24日に開かれた学校法人側の会見で、清水澄理事長は学費を請求することの正当性を説明するなかで避難民に対して「こじき」や「難民貴族」などと発言し、波紋が広がっていました。

 ルニンさんは理事長の会見を受けて27日の会見を開いたということです。

 ルニンさんによりますと、来日前の去年5月下旬ごろ、学校側とオンラインで面談した際、「6カ月間は授業料などが無料」と説明されたということです。ルニンさんはその後に来日し、9月から学校に通うようになりました。

 ところが、学校側は平和な日本に避難した学生は「苦難にある母国民以上に努力する必要がある」などとして、10月ごろに突然、半年分の授業料にあたるおよそ30万円を支払うよう求めたということです。

 他にも、ルニンさんらウクライナ避難民にはスマートフォンやアパートが企業や自治体から無償提供されていますが、「学費を納めなければアパートやスマホを取り上げる」などと学校側が一方的に主張してきたということです。

 ルニンさんは避難民を受け入れた学校側に対して恩義を感じる一方で、避難民をだますような言動があったことに対して「不誠実だ」として、「理事長に謝ってほしい」と複雑な胸中を語りました。

 授業料を巡って学校側は学費の請求は教育活動の一環としたうえで、「学生の自立が目的だ。甘やかしてモンスターを作るのが目的ではない」としています。

 前橋市は、ウクライナから避難してきて日本語学校に通う人に対して、助成金として個人が身元保証人になった場合は30万円、学校が身元保証人になった場合は10万円を支給する制度を作っています。

 市によりますと、学校側は今回トラブルになっている学生らの身元保証人になっていて、すでに10万円の申請をしているということです。そのうえで、今回のウクライナ避難民への授業料の請求については適切ではないとしています。

 また、「学校側が無料でウクライナからの避難民を受け入れ授業するという話を聞いていた」として、今後も学生本位で支援し、県と連携して対応していきたいとしています。

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