「エホバの証人」元2世らが会見 教団が信者に周知した内容は“不十分”[2023/05/22 16:32]

 教義による子どもへの鞭(むち)打ちや輸血拒否が児童虐待にあたるとの指摘を受けているエホバの証人が、「虐待は容認していない」と信者に周知した内容について、元信者らが不十分と訴えました。

 宗教団体「エホバの証人」の元2世や3世らでつくる複数の団体は22日、共同で会見を開き、教団が信者に周知した内容が不十分だと訴えました。

 具体的には、国が去年12月に示した宗教的虐待のガイドラインを信者に明確に周知していないほか、鞭打ちについて、「虐待であることはおろか、鞭という単語すら記載がない」としています。

 輸血拒否については、子どもへの輸血拒否の徹底を示した内部文書を撤回するべきなのに、「輸血拒否を改めて周知している」などと指摘しました。

 そのうえで教団に対し、鞭打ちを推奨していた事実を認め、児童虐待に該当するため禁止すること、これまで鞭打ちを受けてきた全ての子どもたちに謝罪すること、未成年者には医師が必要と判断した輸血などの治療行為を受けさせること、たとえ輸血を受け入れても排斥などの扱いはしないこと、元2世らはこれらの内容を信者に再周知するよう求め、こども家庭庁にも要望書を提出しました。

 エホバの証人を巡っては、国からの求めに応じ、10日付で、信者に対し「児童虐待を容認していません」と周知したことが分かっています。

 ANNが独自に入手した教団が信者に周知するための文書には、子どもへのしつけについて、聖書にある「懲らしめ」という言葉は、「虐待や残酷さとは全く関係がありません」「厳しく接してはいけません」としていました。

 輸血の拒否に関しては、「誰かから強制されたり圧力を掛けられたりして決めることではありません」と記されていました。

 また、未成年の子どもが排斥された場合も、「親には引き続き子どもを育てる責任があります」としています。

 教団の日本支部は、こども家庭庁と「必要であればさらに情報交換を続ける」としていました。

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