“日本版DBS”性犯罪歴を確認 「夢に出てくる」被害者の思い[2023/09/09 12:12]

 子どもに接する職に就く際、性犯罪歴を確認する「日本版DBS」について、政府は制度の大枠を示しました。小学生の時に担任から性被害を受けた女性は「犯罪者を野放しにしない仕組み作り」を求めています。

 小学生で担任から性被害 声を聴きつなぐ会 平野利枝さん(40代):「(今も)夢にも出てくるし、生活のなかで彼によく似たにおいとか、彼がよく聞いていた歌に触れる度に、当時の出来事がよみがえる」

 三重県に住む平野利枝さん。小学校高学年の時、担任だった男性教師からキスをされ、体を触られるなどの性被害を受けました。

 およそ30年後、当時、別のクラスの担任教師だった大原さんの協力で加害者の男性教師と手紙の交換や面会を重ねました。

 当初「覚えていない」との返答でしたが、3年に及ぶやり取りを経て謝罪を受けました。

 子どもが犠牲となる性被害が後を絶たない現状を受け、こども家庭庁は、子どもに関わる仕事に就く人に対して、性犯罪歴の有無を確認する「日本版DBS」を導入する方針です。

 有識者会議で示された制度案によると、学校や保育園などの公的機関は性犯罪歴の確認を義務とする一方、塾や習い事などは、確認を任意とすべきとしました。

 確認の対象は性犯罪の前科がある場合のみで、不起訴処分や条例違反は対象外です。

 平野さんたちは、性被害を受けたときに相談できる体制や当事者への聞き取り調査を行う専門的な機関の必要性を訴えました。

 声を聴きつなぐ会 大原康彦代表:「加害者を追いつめるためではない。被害者を守るために、癒やすためにも(性被害の)事実確認を行ってほしい」

 「日本版DBS」が被害防止のきっかけになることを期待する一方、確認の対象となる職種や罪の範囲はなるべく広くしてほしいと考えています。

 小学生で担任から性被害 声を聴きつなぐ会 平野利枝さん:「『日本版DBS』を運用した時に引っかかるような仕組みが必要なのは当然のことだと思うので、そもそも犯罪者を野放しにしない仕組みを丁寧に作り上げてもらいたい」

こちらも読まれています