「接合部に金属ない建物は揺れに耐えられない」と専門家が指摘 能登半島地震現地調査[2024/01/18 21:41]

 能登半島地震で建物が倒れた状況を現地で調べた地震工学の専門家が、「最新の耐震基準を取り入れた作りでない建物が多く倒れていた」とする見方を明らかにしました。

愛媛大学 森伸一郎特定教授
「私が見た範囲では少なくとも接合金物が付いていて、倒れたものはなかった。『2000年基準』以降ではないし、1981年の新耐震基準を積極的に取り入れた設計施工でないと理解できる。接合金物がないと震度6強や7の揺れに耐えられないとはっきり分かった」

 愛媛大学の森伸一郎特定教授は17日、強い揺れに備えるには、柱や梁(はり)といった部材を金属の部品も使ってつなぎ合わせるなど、「2000年以降の耐震基準」を満たすべきだと訴えました。

 今回、倒壊した建物の多くは部材に痛みが確認され、建物のメンテナンスを続ける重要性も指摘しています。

 一方で被災地で文化財クラスの木造建物が倒壊したことについては、「作った当時のやり方を残すのも大事とされるため、耐震化はとても難しい」と理解を示し、今後、同様の被害を防ぐには国として、何らかの対策を打ち出すべきだとも話しました。

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