自宅が倒壊…17時間生き埋めに 母を亡くした男性の無念 石川・穴水町[2024/01/20 23:28]

 能登半島地震による家屋の倒壊で90歳の母親を亡くした男性が無念の思いを語りました。

林淳彦さん
「ここにはしごを掛けて、消防の方が屋根に穴を開けて、母親を出してくれました」

 穴水町川島の林淳彦さん。激しい揺れに襲われた時、傍らには母親の喜美子さんがいました。

林淳彦さん
「四方から潰れるのが見えました。(母親の)返事もないし、暗いし、体も動かない。返事してくれ…と叫ぶ繰り返しでした」

 淳彦さんは約17時間後に助け出されましたが、喜美子さんは救出後、死亡が確認されました。

 85歳までこの場所で美容院を営んでいた喜美子さん。その腕は確かで、100キロ以上離れた小松市から訪れる常連客もいました。

 引退した後は寝たきりになり、淳彦さんと兄が介護を続けてきました。

林淳彦さん
「横にいても身動きが取れないから助けることができなから、そういう思いではお母さんごめんなさい、勘弁してくれ。天国に行ったらお父さんもいるし、お母さんの弟もいるし、お母さんの親もいるわけですから、もう平和に暮らして下さい。それだけです」

 淳彦さんは「母親の思い出になるものを探し出して、手元に置いておきたい」と話しています。

こちらも読まれています