去年4月、勾留中の男性が糖尿病の持病があるにもかかわらず、適切な措置を取らずに死亡させたとして、警視庁は男性警部ら5人を書類送検しました。
警視庁高島平警察署の男性警部(57)ら5人は去年4月、糖尿病の持病がある男性(当時19歳)が留置施設内で血が混じった嘔吐(おうと)をするなど体調の悪化が確認されたにもかかわらず、適切な措置を取らずに死亡させたとして書類送検されました。
警視庁によりますと、死亡した男性は大麻取締法違反の疑いで逮捕され留置されていましたが、施設内で複数回、嘔吐を繰り返していたということです。
糖尿病の持病があることは留置場担当の警察官の間で共有されていましたが、男性のかかりつけ医から「直ちに命の危険はない」と説明を受けたことで、病院での治療ではなく、裁判官による勾留質問などを優先していました。
また、勾留中の3日間で合わせて10回、複数の病院に治療の問い合わせをしたものの、男性が服用していた薬が用意できないなどの理由で受け入れ先が見つからなかったということです。
警視庁は「亡くなられた男性と、そのご家族に深くおわび申し上げます。本件を厳粛に受け止め、職員に対する指導を徹底し、組織として再発防止に取り組んで参ります」とコメントしています。
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