自民党・最大派閥に“強制捜査” 特捜部「真の狙い」は?カギは“付箋メモ”
スーパーJチャンネル
[2023/12/19 19:11]
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る“ウラ金”問題。これまで任意での捜査を続けてきた東京地検特捜部が19日、強制捜査に踏み切りました。特捜部の“真の狙い”はどこにあるのでしょうか?元大阪地検検事・亀井正貴弁護士に聞きました。
■なぜ強制捜査? 弁護士「議員の起訴も視野に」
まず今回の問題、強制捜査に入る前に、特捜部は「派閥の会計責任者」や「国会議員本人」から任意での事情聴取や資料の入手をしてきました。
実は「会計責任者」だけの罪を問うのであれば、これまでの任意での捜査だけで十分、罪に問えるような状況だそうです。
では、なぜ強制捜査に踏み切ったのかというと、ずばり「議員の起訴も視野に入れているから」だと亀井弁護士は話します。
議員を起訴するために、特捜部はさらなる証拠が必要なので強制捜査に入ったと、亀井弁護士は見ています。
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■カギは「付箋」や「メモ書き」?■カギは「付箋」や「メモ書き」?
その強制捜査では、こんなものまで見ているそうです。
例えば、資料に貼られた「付箋」に何が書かれているか、そして「○○議員から××と指示」と書かれた「走り書きのメモ」など、こういうものを見ているそうです。
“その場の生々しいやりとり”が記されたものを押収し、議員との接点が浮かび上がってくる、それをこれから調べていくことになるということです。
ただ、この疑惑が報じられてから時間が経ちます。特捜部は、そうした証拠が残っているとみて強制捜査に入ったということなのでしょうか?
亀井弁護士の経験でいえば、「付箋やメモなど証拠が残っているケースが多い」そうです。
というのも、仮に議員の指示で「不正を行う」よう言われて事務方が不正を行ったとします。その後、不正が公になった時に議員が「事務方が勝手にやった」などと証言した場合に備え、事務方は自分の身を守るために「指示があった」ことを証明にもなりえるメモなどを保管しておくケースが多いそうです。
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■議員の立件は「ギリギリの勝負」■議員の立件は「ギリギリの勝負」
特捜部は今後、こうした資料などを押収し分析していくとみられますが、「時間的にはギリギリ」だそうです。
国会に影響が出ないようにするには、臨時国会が会期末を迎えた先週から通常国会が始まる来月までのおよそ1カ月間が重要な局面と言われています。
国会が閉じてから強制捜査までに、およそ1週間。なぜ時間がかかったのでしょうか。亀井弁護士は「大掛かりな捜査になるだけに、人員配置など特捜部側の準備に時間がかかったのでは」と見ています。
ただ通常、証拠調べには3週間はかかるそうで、議員の立件にまでたどり着けるのか、「ギリギリの勝負になる」ということでした。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2023年12月19日放送)