「最後まで妻と子どもたちのことを思い続けていく」能登地震 妻子4人を失った男性
[2024/01/19 22:23]
能登半島地震で発生した土砂崩れで妻と子ども3人を失った遺族の男性がいまの思いを語った。
(HAB菅井智絵 HTB渡辺里沙)
「ここで自分一人でご飯を食べていたらすごい涙が…ああみんないなくなったんだなってつらかったですね」
石川県警珠洲警察署で警備課長を務める大間圭介さん(42)。妻・はる香さん(38)、長女・優香(ゆうか)さん(11)、長男・泰介(たいすけ)くん(9)、次男・湊介(そうすけ)くん(3)を失った。
金沢市の自宅には子どもたちが使っていたものが残っている。
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妻の実家で過ごしていた元日 2度目の揺れで裏山が崩れた妻の実家で過ごしていた元日 2度目の揺れで裏山が崩れた
1日、珠洲市仁江町の妻の実家で過ごしていたところ、地震が発生。最初の揺れの後、周りの様子を確認しようと一人で外に出た大間さん。その後の大きな地震で土砂崩れが起き家は押し流された。
「自分ももし一緒に巻き込まれていたら辛くなかったのかなって考えることもあるんですけど」「与えられた命なので妻と子供たちのことを自分が思い続けていかなくてはいけないと今は思うようにしています」
リビングの机の上には、家族の遺品が置かれていた。全て、遺体が発見されたときに身に付けられていたり、近くにあったものだ。
妻のはる香さんは、アクセサリーが遺品となった。土砂の中から発見されたとき、結婚指輪のほか、付き合い始めたころに圭介さんがプレゼントしたネックレスもつけていた。
このネックレスを、はる香さんは修理をしながら、大事に使い続けていた。
長女の優香さんは、最近はメイクもしたりとオシャレが好きな女の子だった。優香さんの髪についていた黒の髪飾りは、土砂に押し潰されたのか、少し形が変わっていた。
次男の湊介君は、アンパンマンを卒業し最近は仮面ライダーが好きだった。湊介君の遺体の近くには、いつも遊んでいた仮面ライダーのおもちゃがあった。
泰介君の遺品はまだ見つかっていない。圭介さんは暖かくなったら探しに行きたいと話していた。
「自慢の妻と子どもたちだった」「生きた証を残してあげたい」
この日圭介さんが着ていたトレーナーは、長男の泰介くんが1年前に誕生日プレゼントでくれたものだった。
トレーナーを着て妻に見せたところ、
「それ泰介の小遣いで買ってきてんよ〜」と言われ、小遣いで買ったことを知った。
「トレーナーは、ボロボロになるまで着ると思う」
家の本棚は、3姉弟が読んでいた絵本が並んだままだった。
次男の湊介くんが好きな絵本は「おつきさまのパンケーキ」と「ノラネコぐんだんシリーズ」。
寝る前に読んでとよくお願いされた。家の中には、泰介君の体育帽子が置かれていた。
優香さんのお化粧ボックスには、使いかけのアイシャドウとマニキュアが入っていた。
「妻や子供たちが出来なかったことをしてあげたい、最後まで自分が妻と子供たちを思い続けていかなくてはいけない」
大間さんは今回、取材を受けた理由についてこう説明する