“幻の道”出現も…河口湖で水位低下 ゴールデンウィーク目前、観光地から悲鳴の声

モーニングショー

[2024/04/23 19:02]

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 河口湖の水位が大幅に低下し、普段は船でしか行けない六角堂が、今は陸続きになっているという。基準の水位よりも、河口湖はおよそ3メートル下回っているといい、観光業・漁業などにも影響が出てきている。

■咲き誇る「芝桜」観光客が殺到 外国人も

 富士山を彩る春の風物詩。山梨・富士河口湖町で行われている「富士芝桜まつり」には、50万株のピンク、白、紫の芝桜が咲き誇る。映えスポットでは、芝桜を海に見立て小舟に乗りこみ、富士山をバックに撮影できる。

夫(50代)
「最高です」
妻(50代)
「このピンクと白もあって、きれい。コントラストが最高」

 例年、ゴールデンウィークには満開になり、まもなく見頃を迎える芝桜。その様子を一目見ようと集まるのは日本人だけでなく、外国人観光客で大にぎわい。

ベトナムから来た観光客
「きれい。とてもきれいです」

■「六角堂」水位低下による珍しい光景

河口湖の水位低下

 ゴールデンウィークが目前に迫るなか、富士山の麓では、ある異変が生じている。23日朝7時の時点で基準水位をおよそ3メートル下回っている。この影響で、数年に一度しか見られないという光景が現れている。     

「六角堂」水位低下による珍しい光景

 本来は湖に浮かぶ浮島に建っていて、遠くからしか眺めることができないお堂「六角堂」。水位が低下したことで、浮島と湖の岸が陸続きになる珍しい光景が現れている。

 「六角堂へ歩いて渡る」という貴重な体験をしようと、多くの観光客が訪れていた。

息子(12)
「水位が下がって歩ける場所があって、六角堂まで行けて楽しかった」
「こんなことめったにできることではない。来て良かったです。姉も突っ込んでみる?」
姉(17)
「いや、いい(笑)」
普段は湖の中にある六角堂

 家族総出で訪れたのは、山梨県内から来た3世代家族。

息子夫婦
「浮島が出ることっていうのは、何年に一回とか少ないこと」
祖母
「息子です。息子夫婦。その子どもだね。3人」
祖母
「貴重だよね、また次はいつになるんだか」

 普段は湖の中にある六角堂の下で、ポーズをとっていました。 

■河口湖の水位低下による異変も…

中禅寺湖での水位低下

 水位低下で起きた異例の現象を楽しむ観光客がいる一方、遊泳ボート乗り場では…。

河口湖ボートハウス 大町悦章代表
「水の跡がここにあると思う。通常だと、ここが普通の水位。今はご覧の通り、相当下がってる」

 通常であれば、桟橋の歩く部分にまで湖の水があるが、去年10月から水位が低下していき、今では桟橋のはるか下に。さらに湖の底まで見える状態となっている。

稼働するボートの数を減らさざるを得ない事態

 スワンボートや釣り用ボートは桟橋に寄せられず、稼働するボートの数を減らさざるを得ない事態になっている。

大町代表
「2〜3割は稼働が出来ないかなっていう感じ。ゴールデンウィーク中で考えると、えっ、売り上げ少ねって」

 例年のゴールデンウィーク中は、学生バイトを雇って増員していたが、今年は断念したという。

学生バイトを雇って増員していたが
大町代表
「今ある形で一生懸命、お客さんに対応するしかない。あとは富士山の神様にお願いして」
ワカサギの影響

 さらに、河口湖の水位低下によって、湖とつながる川でも異変が起きている。

河口湖漁業協同組合 古屋和雄組合長
「黒いのがワカサギ。遡上してきてる。例年に比べると、2週間ほど遅れてます」

 勢いよく泳ぐ小さな魚の群れ。例年は3月下旬から多くのワカサギが産卵のために湖から川へ遡上(そじょう)するが、今年は2週間ほど遅れた。

古屋組合長
「4月の10日くらいに最初に遡上が始まった」
「(Q.今まで4月10日くらいに遡上することは?)10年くらいの間にはなかった。例年通りに成長するかどうか不安。卵産んだり、孵化(ふか)したり、成長する過程で悪い影響を与える可能性はある」

 遡上してきたワカサギのサイズも、例年より小さくなっているという。

■人気の遊覧船クルーズ 2カ所桟橋使用不能

中禅寺湖

 秋には「紅葉スポット」として人気の奥日光・中禅寺湖でも、本来は桟橋の辺りまで水があるというが、現在は湖の底がむき出しになっている。

中禅寺湖漁業協同組合 福田政行 代表理事組合長
「(Q.普段はどのくらいまで水が?)普段はですね。ここら辺までかな」
「(Q.何センチですか?)130センチぐらいありますね」
「(Q.本来はここまで水が来ている?)そうです。今の季節」
中禅寺湖での水位低下

 中禅寺湖を周る人気の遊覧船クルーズは先週から始まったばかりだったが、近付くと座礁の危険があるため、2カ所の桟橋が使えないという。  

中禅寺湖遊覧船 山野井秀一支配人
「(Q.例年の水位は?)今、正面に支柱が見えると思うんですけど、ロープがかかっている、ちょっと上のところまで水がある状態です。現在4カ所ある桟橋のうちの2つの桟橋、菖蒲ケ浜と大使館の方を臨時通過いたしまして、営業を行っているところでございます」
遊覧船クルーズの状況

 接岸ができないため、菖蒲ケ浜と大使館別荘記念公園では、観光客が乗り降りできず、通過するだけとなる。

山野井支配人
「船が(桟橋に)付けられる状態の水位が回復するまでなんで、(臨時通過が)いつぐらいまでかは、私どもの方では判断しかねる状態です」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2024年4月23日放送分より)」

  • まもなく見頃を迎える芝桜
  • 河口湖の水位低下
  • 「六角堂」水位低下による珍しい光景
  • 普段は湖の中にある六角堂
  • 中禅寺湖での水位低下
  • 稼働するボートの数を減らさざるを得ない事態
  • 学生バイトを雇って増員していたが
  • ワカサギの影響
  • 中禅寺湖
  • 中禅寺湖での水位低下
  • 遊覧船クルーズの状況

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