また水が来たら…厳重警戒 九州南部『線状降水帯』の恐れ 関東でも“警報級大雨”か

[2024/05/27 23:30]

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台風1号と前線の影響で、奄美を含む鹿児島県、そして宮崎県では線状降水帯の予測情報が発表されました。大雨の災害の危険度が急激に高まる恐れがあります。

線状降水帯の発生予測が出ている地域以外でも、28日にかけて広い範囲で警報級の大雨が予想されています。

■九州南部 線状降水帯発生のおそれ

南から湿った空気が流れ込んだ影響で、27日は太平洋側を中心に朝から雨となりました。

福岡管区気象台の担当者
「鹿児島県・宮崎県では27日夜から28日日中に線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。大雨に対する心構えを一段高く持っていただいて、今後の気象台の発表する情報や、地元自治体の発令する避難情報等に留意してほしい」

さらに、夕方には奄美地方も追加されました。都道府県ごとに予測を発表する仕組みは本来、明日から運用開始の予定でしたが、1日前倒しした格好です。

福岡管区気象台の担当者
「防災上の観点から、このタイミングで都道府県単位にすることは効果的。前倒して発表いたしました」

宮崎と鹿児島では多い所で300ミリの大雨になる予想で、線状降水帯が発生すれば雨量はさらに増加する恐れもあります。

■募る不安 また水が来たら…

災害への対策は時間が勝負です。

南大隅町消防交通係 瀬嵜博明係長
「去年8月に甚大な被害に遭ったので、その辺も考慮しまして早め早めの対応をしていこうと」

鹿児島・南大隅町では去年、台風の被害により町内の道路が冠水しました。町民の半数以上が高齢者のこの町では、日没前に防災無線で避難を呼び掛けました。

南大隅町消防交通係 瀬嵜博明係長
「この時は台風が来るまでに雨が続いていたものですから、警戒はしてたんですけれども、それでもやはり…」

簡易ベッドやランタン、そして倉庫内には町民の3日分を想定した水や食料を備蓄。それでも不安は隠せません。

南大隅町消防交通係 瀬嵜博明係長
「線状降水帯についても毎年精度も上がってきていますので、避難体制をとる上では参考になっています。南大隅町も線状降水帯に入ったことはないので、一度も。不安はあります」

想定を超えてくる近年の雨に、町民からも…。

女性
「やっぱり心配ですよね。水が(玄関に)あがるもんですから。町から放送が今ありました。ほんとにまたね、ながしになったら心配ですよ」

■台風1号 関東でも“警報級大雨”か

そして、もう一つ気になるのが“台風1号の存在”です。強い勢力の台風1号は、フィリピン東の海上をを東北東に進んでいます。現地では、河川の増水や浸水などの被害が出ています。地元メディアによると、警察は、洪水で身動きが取れずにいた6家族21人を救助。しかし、移送先の小学校へと向かう道も川のようになっています。

この台風は去年、西日本や東海などを襲った台風2号の時と進路や前線の位置など似ている点が多く、注意が必要です。静岡県浜松市で35歳の男性が土砂崩れに巻き込まれて死亡するなど、全国で6人が亡くなっています。本州付近に停滞する梅雨前線に台風から暖かく湿った空気が流れ込み、前線が活発化。この時は6県で合わせて11回、線状降水帯が発生しました。

宮崎県の雨は27日夜になっても続いています。

松本拓也ディレクター
「線状降水帯が発生する恐れがある宮崎県串間市です。先ほどまで、ほとんど雨は降っていませんでしたが、午後8時を過ぎて急に雨が強くなってきました。歩道は一瞬で冠水してしまっています」

鹿児島県垂水市では、5段階ある警戒レベルのうち、4にあたる『避難指示』を市内全域に出しました。市内8カ所に避難所を開設しています。

今後は、東海や関東でも今年一番の激しい雨や大雨になる恐れもあり、注意が必要です。

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