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2025年1月8日 16:45

菊間千乃さんも発症 『突発性難聴』早期治療が重要 いち早く気付く方法は?

2025年1月8日 16:45

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コメンテーターの菊間千乃さんが、2024年、軽度の『突発性難聴』になったと公表しました。

『突発性難聴』とは、どんな病気なのでしょうか。
手遅れになると、聴力を失うケースもあるといいます。

■『突発性難聴』発症 菊間千乃さん 会議で声聞こえず

2024年10月、菊間さんは、自身のSNSで、
「9月から、色々忙しくて、睡眠時間3-4時間の日々が続き、各方面からのストレスもあったりして、軽度の突発性難聴ですって。 ストレスと睡眠不足が大敵ですと、お医者さんに言われました。」

と、軽度の突発性難聴を患ったことを公表しました。

突発性難聴とは、ある日突然、片方の耳(ごくまれに両耳)の聞こえが悪くなる原因不明の疾患です。

2013年度の調査では、全国の発症者数は、年間約8万人とされています。

突発性難聴には聞こえが悪いという以外にも、
●耳鳴りがある人は、77.8%、
●めまいがある人は、35.3%、
という、症状が出ています。

耳鳴り、めまいも、突発性難聴の可能性があります。

菊間さんのケースです。

2024年9月中旬にプログラミングの勉強を始め、睡眠時間が2〜3時間という生活が続いていました。

2024年10月上旬、会議後の打ち上げで、「みんな声が小さいな」と感じるなど、聞こえに違和感があったということです。

その2日後、予定を全てキャンセルし、耳鼻咽喉科を受診しました。
そこで、軽度の突発性難聴の疑いがあると診断され、飲み薬での治療を開始しました。

2024年10月末、治療を開始して半月ほどです。
3回目の受診で、聴力回復を確認したということです。

菊間さんが突発性難聴だった時の生活です。

会議で声が聞こえず、読唇術を使っていました。

会話は、菊間さんが隣に行って、至近距離で話していたということです。

毎朝、「今日は聞こえるかな?」と緊張して、テレビをつけていました。

■若者から高齢者まで発症『突発性難聴』なりやすい人は?

突発性難聴の年齢別の患者数です。

男性、女性、それぞれの患者数を年代別に表したグラフですが、男女共に、60歳に向け徐々に患者数が増え始め、60歳代(60歳〜69歳)が最も多くなっています。

済生会宇都宮病院の医師で、耳鳴りや難聴などの聴覚医学が専門の新田清一先生によると、
「突発性難聴は、若者から高齢者まで幅広く発症する病気。超高齢化社会で、70代以上の患者も近年は増えている」ということです。

また、突発性難聴になりやすい人は、
●ストレスが多い、
●疲労の蓄積、
●睡眠不足、
●糖尿病を患っている人
などだといいます。

新田先生によると、
「生活の中で睡眠時間を削り仕事のストレスやプレッシャーを感じている人が多い」ということです。

■突発性難聴のサインは?治療遅れると聴力失うケースも

突発性難聴、こんな症状に要注意です。
耳鳴りがやまない。
突然、聞こえにくくなる
音が重なって聞こえる。
エコーのように響く。
●耳に圧迫感や耳がふさがったり、水が入ったりする感じがする耳閉感(じへいかん)がある。
めまい吐き気

聞こえの状態が、完全に元に戻らないケースもあります。

41歳女性のケースです。

突然の耳鳴りや、通話の際に左耳だと聞き取りづらい、スマホの呼び出し音が左耳だと小さいなど、左耳の聞こえにくさに気づき、しばらく様子を見ていました。

症状が治まらないので、発症から2週間後に受診し、軽度の突発性難聴と診断され、飲み薬での治療を開始しました。

3カ月後、治療を続けましたが、回復が見られず継続的な耳鳴りで精神が不安定になってしまったということです。

60代男性のケースです。

この方は、10年前まで、トラックの長距離ドライバーをしていました。
当時、2日間で東京と四国を往復した後、事務所に戻り、仮眠をとって起きたら、右耳が聞こえませんでした

さらに、右耳から常にゴウゴウという耳鳴りがして、ひどいときは、めまいや吐き気もあったということです。

しかし、疲れがたまっているせいだろうと放っていました。

そして、1週間後、受診すると、突発性難聴の一種の『ストレス性難聴』で、『一過性のもの』と診断されました。

しかし、約10年経った現在も、右耳は聞こえづらく、左耳8:右耳2ぐらいで生活しているということです。
ほとんど、左耳で聞くようにしているそうです。

68歳 男性のケースです。

朝、起きると、めまい・嘔吐・右耳の難聴・耳鳴りの症状で立ち上がれず、受診しました。

病院で、『重度の突発性難聴』と診断され、1週間の入院治療をしました。
最初の2日間は、寝たきり状態でした。

そして、1週間後、めまい・吐き気は回復し、退院できましたが、右耳の難聴は完全に回復しませんでした

■早期治療が重要 「発症から1週間すぎると治り悪くなる」

突発性難聴は早期の治療が重要だといいます。
完治する人、改善はするが完治しない人、治療効果がない人の割合は、1:1:1です。

済生会宇都宮病院の新田先生によると、
「突発性難聴の治療は、早ければ早いほど良い。発症から1週間をすぎると、治りが悪くなる」ということです。

音の聞こえる仕組みです。

音は外から空気の振動として伝わります。
それを耳の奥にある内耳で、電気信号に変換し脳へと伝えることで、聞こえます。
この内耳で障害が起きると、音が聞こえにくくなり、『難聴』となります。

突発性難聴の考えられる原因です。

1つ目は、内耳への血流が急に途絶え、『耳の梗塞』が起きたような状態になります。
2つ目は、ウイルス感染により、内耳の神経細胞が壊されてしまいます。

新田先生です。
2カ月程度で治癒させないと、それ以降は、改善する可能性は低い」ということです。

■治療法は規則正しい生活と治療薬

突発性難聴の治療法です。

基本は、規則正しい生活です。
●食事・睡眠を同じ時間にとります。
●睡眠時間を確保します。

これをした上で、治療薬です。

『ステロイドホルモン』という、内耳の炎症を抑える薬が使われます。
飲み薬、鼓膜の奥に注射、点滴などで、1週間の集中治療を行います。

このステロイドと併用して、内耳の血流障害を改善する血管拡張薬・循環改善薬や、傷ついた末梢神経を修復させるビタミン剤などが使われます。

新田先生です。
「治療しても改善されず、耳鳴りや難聴などの後遺症で、精神的な苦痛や、日常生活に支障がある人は、補聴器などで生活の質を改善することはできる」ということです。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年1月7日放送分より)