コメンテーターの菊間千乃さんが、2024年、軽度の『突発性難聴』になったと公表しました。
『突発性難聴』とは、どんな病気なのでしょうか。
手遅れになると、聴力を失うケースもあるといいます。
■『突発性難聴』発症 菊間千乃さん 会議で声聞こえず
「9月から、色々忙しくて、睡眠時間3-4時間の日々が続き、各方面からのストレスもあったりして、軽度の突発性難聴ですって。 ストレスと睡眠不足が大敵ですと、お医者さんに言われました。」
と、軽度の突発性難聴を患ったことを公表しました。
突発性難聴とは、ある日突然、片方の耳(ごくまれに両耳)の聞こえが悪くなる原因不明の疾患です。
2013年度の調査では、全国の発症者数は、年間約8万人とされています。
突発性難聴には聞こえが悪いという以外にも、
●耳鳴りがある人は、77.8%、
●めまいがある人は、35.3%、
という、症状が出ています。
耳鳴り、めまいも、突発性難聴の可能性があります。
菊間さんのケースです。
2024年9月中旬にプログラミングの勉強を始め、睡眠時間が2〜3時間という生活が続いていました。
2024年10月上旬、会議後の打ち上げで、「みんな声が小さいな」と感じるなど、聞こえに違和感があったということです。
その2日後、予定を全てキャンセルし、耳鼻咽喉科を受診しました。
そこで、軽度の突発性難聴の疑いがあると診断され、飲み薬での治療を開始しました。
2024年10月末、治療を開始して半月ほどです。
3回目の受診で、聴力回復を確認したということです。
菊間さんが突発性難聴だった時の生活です。
会議で声が聞こえず、読唇術を使っていました。
会話は、菊間さんが隣に行って、至近距離で話していたということです。
毎朝、「今日は聞こえるかな?」と緊張して、テレビをつけていました。
次のページは
■若者から高齢者まで発症『突発性難聴』なりやすい人は?■若者から高齢者まで発症『突発性難聴』なりやすい人は?
突発性難聴の年齢別の患者数です。
男性、女性、それぞれの患者数を年代別に表したグラフですが、男女共に、60歳に向け徐々に患者数が増え始め、60歳代(60歳〜69歳)が最も多くなっています。
「突発性難聴は、若者から高齢者まで幅広く発症する病気。超高齢化社会で、70代以上の患者も近年は増えている」ということです。
また、突発性難聴になりやすい人は、
●ストレスが多い、
●疲労の蓄積、
●睡眠不足、
●糖尿病を患っている人
などだといいます。
「生活の中で睡眠時間を削り、仕事のストレスやプレッシャーを感じている人が多い」ということです。
■突発性難聴のサインは?治療遅れると聴力失うケースも
突発性難聴、こんな症状に要注意です。
●耳鳴りがやまない。
●突然、聞こえにくくなる。
●音が重なって聞こえる。
●エコーのように響く。
●耳に圧迫感や耳がふさがったり、水が入ったりする感じがする耳閉感(じへいかん)がある。
●めまい・吐き気。
聞こえの状態が、完全に元に戻らないケースもあります。
41歳女性のケースです。
突然の耳鳴りや、通話の際に左耳だと聞き取りづらい、スマホの呼び出し音が左耳だと小さいなど、左耳の聞こえにくさに気づき、しばらく様子を見ていました。
症状が治まらないので、発症から2週間後に受診し、軽度の突発性難聴と診断され、飲み薬での治療を開始しました。
3カ月後、治療を続けましたが、回復が見られず、継続的な耳鳴りで精神が不安定になってしまったということです。
60代男性のケースです。
この方は、10年前まで、トラックの長距離ドライバーをしていました。
当時、2日間で東京と四国を往復した後、事務所に戻り、仮眠をとって起きたら、右耳が聞こえませんでした。
さらに、右耳から常にゴウゴウという耳鳴りがして、ひどいときは、めまいや吐き気もあったということです。
しかし、疲れがたまっているせいだろうと放っていました。
そして、1週間後、受診すると、突発性難聴の一種の『ストレス性難聴』で、『一過性のもの』と診断されました。
しかし、約10年経った現在も、右耳は聞こえづらく、左耳8:右耳2ぐらいで生活しているということです。
ほとんど、左耳で聞くようにしているそうです。
68歳 男性のケースです。
朝、起きると、めまい・嘔吐・右耳の難聴・耳鳴りの症状で立ち上がれず、受診しました。
病院で、『重度の突発性難聴』と診断され、1週間の入院治療をしました。
最初の2日間は、寝たきり状態でした。
そして、1週間後、めまい・吐き気は回復し、退院できましたが、右耳の難聴は完全に回復しませんでした。
次のページは
■早期治療が重要 「発症から1週間すぎると治り悪くなる」■早期治療が重要 「発症から1週間すぎると治り悪くなる」
突発性難聴は早期の治療が重要だといいます。
完治する人、改善はするが完治しない人、治療効果がない人の割合は、1:1:1です。
「突発性難聴の治療は、早ければ早いほど良い。発症から1週間をすぎると、治りが悪くなる」ということです。
音の聞こえる仕組みです。
音は外から空気の振動として伝わります。
それを耳の奥にある内耳で、電気信号に変換し脳へと伝えることで、聞こえます。
この内耳で障害が起きると、音が聞こえにくくなり、『難聴』となります。
突発性難聴の考えられる原因です。
1つ目は、内耳への血流が急に途絶え、『耳の梗塞』が起きたような状態になります。
2つ目は、ウイルス感染により、内耳の神経細胞が壊されてしまいます。
「2カ月程度で治癒させないと、それ以降は、改善する可能性は低い」ということです。
■治療法は規則正しい生活と治療薬
突発性難聴の治療法です。
基本は、規則正しい生活です。
●食事・睡眠を同じ時間にとります。
●睡眠時間を確保します。
これをした上で、治療薬です。
『ステロイドホルモン』という、内耳の炎症を抑える薬が使われます。
飲み薬、鼓膜の奥に注射、点滴などで、1週間の集中治療を行います。
このステロイドと併用して、内耳の血流障害を改善する血管拡張薬・循環改善薬や、傷ついた末梢神経を修復させるビタミン剤などが使われます。
「治療しても改善されず、耳鳴りや難聴などの後遺症で、精神的な苦痛や、日常生活に支障がある人は、補聴器などで生活の質を改善することはできる」ということです。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年1月7日放送分より)






















