「最近目が疲れやすい」「夕方、ものが見づらい」という方、その目の不調は、『アイフレイル』という危険なサインかもしれません。
病気の手前とも言われる『アイフレイル』は、若者にも増えています。
■目の不調「アイフレイル」かも?スマホの使い方に注意
街の皆さんの、気になる目の悩みです。
「仕事で一日中パソコンを操作すると、目が乾いて疲れる。特に冬は乾燥しているので、痛みを感じて、結構つらい」
「ここ数年で、日差しが一日中まぶしく感じるようになった。特に夕方の西日は、目を開けていられない」
「50代に入ってから、階段だけでなく、段差のないところでもつまずくようになった」
「近所の病院の看板が、ある日突然読めなくなった。眼科へ行くと、視力が1.0から0.5に落ちていた」
「これらの症状は、アイフレイルの可能性がある」といいます。
アイフレイルの症状は、視力低下・視界が狭まる・眼精疲労・目の乾燥などで、病気の一歩手前のサインということです。
原因は、加齢・生活習慣・持病などによる、目の筋肉・神経・網膜などの衰えで、40代から急激に増加します。
40代から増加ということですが、最近では、目の不調は若年層でも起きています。
20代、30代の若い人でも目の不調を訴える人が増えています。
なぜ若い世代にも増えているのでしょうか?
「スマートフォンなど手元で扱うデジタル端末の普及により、若い世代でも目に負担がかかっている」ということです。
アイフレイルを招く、スマホの危険な使い方、1つ目です。
顔とスマホの距離が30cm以内。
スマホは1つの画面で多くの情報を表示して、人間はそれを取り入れようとします。
<1>近寄ってピントを合わせる状態が長時間続くと、『仮性近視』という状態になります。
近くを見る専門の目に一時的になってしまうため、遠くがかすんだり、遠くが見えなくなったりします。
この状態を繰り返すと、アイフレイルになる可能性があります。
<2>『スマホ老眼』という、近距離のスマホを見続けることで、眼の筋肉が緊張する状態が続き、老眼と同様にピント調節が利かなくなります。
そのため、近くもだんだん見えづらくなります。
対策です。
<1>離して字が見えない場合は、字を大きくします。
<2>まばたきを意識的にしたり、スマホに熱中しないことです。
アイフレイルを招く、スマホの危険な使い方、2つ目です。
動画を縦画面で視聴すること。
動画が小さく映ると、見えづらさから、自然と近距離で長時間見てしまうことになります。
そこから『ピント調節』がきかなくなり、『スマホ老眼』に。
さらに、小さいものを集中してみようとするので、まばたきを忘れて『目の乾燥』も引き起こします。
対策としては、文字を大きくするように、動画も画面いっぱいに表示すること。
スマホと適切な距離を保ちながら、利用できます。
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■アイフレイル 危険度は?10項目簡単チェック■アイフレイル 危険度は?10項目簡単チェック
アイフレイルを簡単にチェックする方法です。
全部で10項目です。
<1>目が疲れやすくなった。
<2>夕方になると、見にくくなることがある。
<3>新聞や本を長時間見ることが少なくなった。
<4>食事の時に、テーブルを汚すことがある。
<5>眼鏡をかけても、よく見えないと感じることが多くなった。
<6>まぶしく感じやすい。
<7>まばたきしないと、はっきり見えないことがある。
<8>まっすぐの線が波打って見えることがある。
<9>段差や階段で危ないと感じたことがある。
<10>信号や道路標識を見落としたことがある。
チェック項目が、2つ以上あてはまる人は、アイフレイルの可能性があります。
一度、眼科専門医に相談することをおすすめします。
「4番、9番、10番にあてはまる人は、近くが見えていなかったり、視野がかけている可能性がある。専門家に早めの相談を」ということです。
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■白内障・緑内障 知るべき危険なサイン 失明リスクも■白内障・緑内障 知るべき危険なサイン 失明リスクも
アイフレイルを放置していると、色々な病気になる可能性があります。
可能性のある病気、一つ目は、白内障です。
白内障は、ピントを調節する働きをする目のレンズ・水晶体が白く濁る病気です。
白内障の症状は、
●物がかすんで見える、
●二重に見える、
●まぶしく見える、
など、進行すれば視力が低下します。
アイフレイルを放置していると、可能性のある病気、2つ目は、緑内障です。
目から脳へ信号を送る視神経に障害が起き、視野が欠けていく病気です。
大半は後期まで自覚症状がありません。
緑内障、日本では、患者数約400万人、40歳以上の20人に1人、60歳以上の10人に1人が緑内障と推定されていて、失明の原因1位です。
緑内障だと思ったら、他の病気だったということもあります。
脳梗塞や脳出血が原因で、視野に障害が起きている場合もあるそうです。
「緑内障などの病気は、普段の視力検査だけでは気づきにくい。40歳を過ぎたら、症状がなくても眼科で検査を」
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■アイフレイルで認知症・うつ病のリスク増も■アイフレイルで認知症・うつ病のリスク増も
さらに、アイフレイルを放置するリスクです。
転倒のリスクです。
視覚障害があると、転倒のリスクが2.5倍です。
認知症のリスクです。
視覚障害がある人は、認知症のリスクが1.31倍〜1.72倍です。
うつ病のリスクです。
視覚障害がある人は、うつ病のリスクが、約2.7倍です。
■「目の疲れ解消法は?」専門医が答える目の疑問あれこれ
皆さんからの目にまつわる疑問を、眼科かじわらアイ・ケア・クリニックの梶原院長に聞きました。
「一日中パソコンを使う。目の疲れを軽くする方法はある?」
「そもそも暗い部屋でスマホを見るのは、目に悪い?」
「疲れ目の時、目の周りを温めるのと冷やすのは、どちらが効果的?」
「目薬を使っているが、オススメのものはある?」
「星空を見ることは、目に良いの?」
「寝る時のアイマスクは、ドライアイや目の疲れに効果がある?」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年2月28日放送分より)




















