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2025年5月19日 16:00

糖尿病の新常識「ビールが悪」は誤解!?遺伝で発症リスク20倍 最新の治療&予防法

2025年5月19日 16:00

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糖尿病の最新研究で、家族に糖尿病の人がいる場合、発症するリスクが20倍になることがわかりました。

糖尿病は生活習慣だけでなく、遺伝も影響するということです。

■糖尿病 新常識 遺伝も影響 食欲抑える新薬も 患者の寿命に変化

糖尿病に対する認識です。

70代男性
太っている人が糖尿病になるイメージ。あとは、お酒やたばこの影響」
60代女性
「脂っこいものや甘いものなど、好きなものばかり食べている『贅沢病』のイメージ」

親族が糖尿病の方です。

20代女性
「祖父が糖尿病。よくお酒飲んでいたからだろうか」
60代男性
「父が糖尿病。原因は『暴飲暴食とストレス』と言われた」

糖尿病の新常識1つ目です。

発症の原因です。
これまでは、暴飲暴食など生活習慣による影響で発症するとみられていましたが、現在は、生活習慣だけでなく、遺伝体質などの関与も分かってきました。

同じ生活習慣でも、糖尿病になる人とならない人がいるということです。

親族に2型糖尿病がいる人の糖尿病発症リスクです。
親族に1人いる場合、発症リスクが約2.7倍
2人いる場合、発症リスクが約6倍
3人以上いる場合、発症リスクが約12倍です。

さらに、3世代にわたり2型糖尿病の親族がいる人は、全くいない人と比べて、糖尿病の発症リスクが約20倍です。

糖尿病の新常識2つ目は、食事制限です。

これまでは、糖尿病になったら、厳しい食事制限が必要とされていましたが、現在は、エビデンスのある不摂生が治療になることがわかりました。

野放しで食べて良いというわけではないですが、タンパク質と脂質は、血糖値を上昇させないので、エビデンスに基づいた食べ方、食材を賢く選択すれば、食事を楽しみながら『賢い不摂生』をすることは可能になったということです。

新常識3つ目は、治療薬です。

これまでは、治療薬による低血糖・体重増加が課題でしたが、現在は、低血糖を抑制し、食欲も抑える新薬が登場しています。

糖尿病の新常識4つ目です。寿命です。

これまでは、寿命が短いとされていましたが、現在は、糖尿病のない人と近づいてきています

糖尿病患者の平均死亡年齢です。

約20年前は、男性68歳、女性71.6歳でしたが、最近では男性74.4歳、女性77.3歳に延びています。
日本人の平均寿命は男性81歳、女性87歳です。

■お酒と糖尿病 意外な関係 血糖値抑える酒のつまみは?

糖尿病に関するクイズ、お酒編です。

食パン3枚と一緒に飲む飲み物。最も血糖値が上がるのはどれ?

1、ビール
2、ジン
3、白ワイン
4、水

最も、血糖値が上がるのは、です。

2位はビール、ジン。
1番血糖値が上がらないのは、白ワインです。

北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟さんです。
「アルコールは、インスリンの力を使わずに食後血糖値の上昇を抑える働きがあるといわれている。飲みすぎはよくないが、血糖値上昇防止の観点から言うとおすすめできる」

糖尿病にはビールは良くないというイメージがありますが、お酒の炭水化物含有量です。

100gあたり日本酒には約5g。
ビールには約3gです。
焼酎には、炭水化物が入っていません。

2015年に炭水化物の計算方法が改定されました。
体が実際に使える糖分である『利用可能炭水化物』を算出すると、100gあたり、日本酒は約2.5gあるのに対し、ビールは『微量』

銘柄にもよりますが、ビールは血糖値を上げにくいということです。

糖尿病に関するクイズ、おつまみ編です。

最も血糖値が上がりにくい、おつまみの組み合わせはどれ?
1、ワインとナッツ、チーズ
2、日本酒と刺し身
3、ハイボールと唐揚げ
4、ビールと焼き鳥、枝豆

正解は、どの組みあわせもよいということです。

山田さんです。
「どのおつまみも、血糖値の上昇を抑えるタンパク質と脂質が多く、そして、お酒の力を借りて食後の血糖値の上昇ブレーキをかけられるいい組み合わせ」

糖尿病に関するクイズ3問目、お酒の締め編です。

お酒の締めにおすすめなのは?
1、パフェ
2、ラーメン
3、ステーキ

山田さんです。
正解は、ステーキタンパク質と脂質が豊富なステーキで締めるのは、実は理にかなった食べ方。工夫次第で食生活を楽しみながら血糖値をコントロールできる」

■実は多い 糖尿病予備軍 本当に怖いのは合併症 認知症リスクも

健康な人の血糖値は、食事をするたびに上昇しますが、『インスリン』の働きによって血糖値を下げ、常に適度な範囲に調整しています。

糖尿病は、それが調整できなくなった状態です。

糖尿病は、日本では患者約1000万人、予備軍も約1000万人と言われていて、日本人の6人に1人が糖尿病もしくは糖尿病予備軍です。

糖尿病の症状です。

食後高血糖の症状は、体がだるい、食べてすぐ眠くなるなど、糖尿病初期は症状が軽く、無自覚なことが多いです。

これが進行すると、手足がしびれる、のどが渇く、尿量が増える、など徐々に症状が重くなっていきます。

糖尿病で、さらに怖いのは合併症です。

1つ目は『しめじ』。
し 神経の障害
め 目の障害
じ 腎臓の障害

怖い合併症、2つ目は『えのき』です。
え 壊疽(えそ)
の 脳卒中
き 虚血性心疾患

北里研究所病院・糖尿病センター長の山田さんによると、
「糖尿病を放置すると、早くて3年で合併症を発症する」といいます。

さらにこんなリスクもあります。

糖尿病の人は、アルツハイマー病が約1.5倍血管性認知症が約2.5倍になるというデータがあります。

さらに、情報処理能力、注意力、言語記憶などの認知機能障害も起こりやすいということです。

■予防に適した食事の順番 最新医学に基づく食事法を伝授

糖尿病を防ぐための食事です。

50代男性
「糖尿病内科に通っているが、精神的なストレスが嫌だから、好きなものを食べ、飲みたいものを飲んでいる
北里研究所病院・糖尿病センター長の山田さんによると、この食べ方は、です。
「好きなものが糖質でなければ、問題なし」ということです。

精神的なストレスというのは、カロリー制限という、エネルギーのあるものは全部不利益であるという刷り込みがある方の反応。
糖質だけ制限するという1個の条件をつければ、〇。
タンパク質と脂質は、お腹いっぱい食べても血糖値を上げないので、上手に好きなものを食べ、飲みたいものを飲んでいただきたいということです。

50代男性
朝食と昼食では炭水化物を摂るが、夕食では(炭水化物を)抜いている」
山田さんによると、この食べ方は、
「血糖値は、朝が一番上がりやすいので、炭水化物を抜くなら朝食が良い」とのことです。

朝は血糖値が上がりやすいので、どこか主食を抜くなら朝。その分、タンパク質と脂質をしっかり食べる意識が大事です。
そうすることで、1日血糖値が安定しやすいということです。

主婦の方
「夕食は、サラダ中心揚げ物少しだけにして、残りを朝に回して食べる
山田さんによると、この食べ方は、×または△
タンパク質や脂質などが、十分に摂れていない。朝に脂質を摂ることは問題なし」ということです。

サラダも大事ですが、サラダ中心の食事は、タンパク質や脂質、エネルギーが不足しがちで、筋肉が落ちてしまう恐れがあります。
それらを十分摂ることが糖尿病予防の観点では大事なので、ここは×。揚げ物を少しにする必要はないということです。
朝の唐揚げは、中身次第なので△。
唐揚げの中身は、ポテトのような糖質でない、肉や魚なら、朝食に揚げ物を食べても問題ないそうです。

糖尿病を防ぐ食事の順番です。

まず、肉や魚、卵などの『タンパク質、脂質』です。
インスリンの分泌を早めます

そして、野菜や海藻、きのこなどの『食物繊維』です。
血糖値の急上昇を抑えます

最後に、ご飯やパン、果物などの『炭水化物』です。
最初に食べると、血糖値が急上昇しやすくなります。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年5月16日放送分より)