住宅街に鳴り響いた爆発音。広範囲に被害が及んだ爆発はなぜ起きたのか。ガス管の破損ではない、別の原因が見えてきました。
■コンビニのガラス粉々…“瞬間”映像入手
緊迫する住宅街。爆発の瞬間を捉えた映像です。
続けざまに爆発音が響き…警察官が規制線を張り、人々を避難させます。
「雷が近くに落ちたのかと思って。でも雨降ってないしなと思って」
現場から100メートルほど離れた工場の防犯カメラには土煙が上がるほどの衝撃が映っています。
人々が慌てて飛び出し、現場を探す警察官の姿も見えます。
当初、ガス管の破損とみられた爆発。別の原因が見えてきました。
爆発があったのは27日午前9時半ごろ。その直後とみられる東京・江戸川区の工事現場で、トラックが燃えていました。
爆発の瞬間は、あらゆるカメラに収められていました。
「大地震が来たかと思ったらどうやら違うので。2、3秒後にガラスが全部吹き飛んだ。ここも枠しかないのが分かります?すべての窓が枠しかない。多分、網戸は吹き飛んじゃったんでしょうね。とてもじゃないけど住めない。ガラスが全くない」
現場は東西線「葛西駅」から250メートルほど離れた住宅街の一角。周辺には線路や公園もあります。
以前の様子を見ると、元々は駐車場でしたが、車は止まっていません。
そこに止まっていた工事車両が…タイヤはホイールだけを残すほどに。向かいのアパートの窓枠ははずれ、衝撃の大きさを物語ります。
静かな住宅街は、その姿を一変させました。
工事現場に隣接するコンビニ店はガラスは粉々に…。店内の商品も散乱しています。
さらに、工事車両から80メートルほど離れたマンションも3階部分のガラスがひび割れています。
「地震みたいでびっくりした。怖かった」
その向かいにある自動販売機も爆発の衝撃を受けたのでしょうか。ディスプレイが散乱しています。
火は午前11時前に消し止められましたが、これまでに10人がけがをしました。
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■何が?なぜ爆発?■何が?なぜ爆発?
なぜ爆発が起きたのでしょうか。現場では“あるにおい”が充満していました。
警視庁などによると、現場は新築の建物の建設工事が進んでいました。その工事中、何らかの理由で地中に埋まっていた“アセチレンガス”のボンベに穴が開いたとみられます。
「午前9時半ぐらいに爆発があって、現地でガスがふき上がったのを見て敷地外に出ようとしたところに爆発があった」
坂口隆夫さん
「可燃性の中でも非常に危険性が高いガスと言われている。主に工事などでアセチレン溶接で使用するガス。一般に家庭で使うガスではない」
金属の溶接をする際に利用されるアセチレンガス。いつから埋まっていたのかなど、詳しい原因は分かっていません。
「故意に正規の処分をしないで地中に置いたまま埋めてしまった、そういうことが考えられる。アセチレンガスボンベが地中に埋まっていたのは理解できない。想像を超えている。工事をやる人も全く念頭になかったと思う」
警視庁と消防庁が原因を詳しく調べています。