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斎藤兵庫県知事を告発した元局長の私的な情報が漏洩(ろうえい)した問題で、県の第三者委員会は斎藤知事らが指示した可能性が高いと指摘しました。
■第三者委が指摘 本人は否定
「改めて漏洩に関する指示はしていないという認識に変わりはありません。指示をした認識は全くございません」
去年3月、兵庫県の元西播磨県民局長が斎藤知事のパワハラなどを文書で告発しました。
5月、兵庫県は知事らを誹謗(ひぼう)中傷する文書を作成、配布し、県政への信用を著しく損なわせたとして元局長は停職3カ月の懲戒処分になり、その後、死亡しました。
第三者委員会はまず、元県民局長の公用パソコンから見つかった告発とは無関係の私的情報を当時の総務部長が県議会議員に漏洩したと認定しました。
「兵庫県総務部長であったE氏(当時の総務部長)は、T県議に対し元県民局長の私的情報を紙に印刷した資料の一部を提示し、あわせてその内容の一部を口頭で述べるなど秘密を漏洩した」
第三者委員会は、元局長の私的情報を流出した目的をこう指摘しています。
「元県民局長の私的情報を暴露することにより、その人格ないし人間性に疑問を抱かせ、ひいては告発文書の信用性を弾劾(だんがい)する点にあったととらえるものと理解される」
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■斎藤知事 情報漏洩を指示?■斎藤知事 情報漏洩を指示?
27日、第三者委員会は当時の総務部長による情報漏洩を認めたうえで、それは斎藤知事の指示だった可能性が高いとしたのです。
「令和6年4月4日か5日ごろ、E氏(当時の総務部長)がD氏(当時の前総務部長)同席の席上で、知事に対し元県民局長の公用パソコン内に元県民局長の私的情報にかかわる大量の文書等があることがわかったなどと報告したところ、知事はE氏(当時の総務部長)に対し、要旨『そのような文書があることを議員に情報共有しといたら』と指示したと、こういう旨の供述をされました」
「去年4月上旬ごろ元県民局長の私的情報の件を含めて知事に報告した際、いろいろな案件がある中で私的情報があったということを含めて、根回しというか議会の執行部に知らせておいたらいいんじゃないかという、趣旨と理解できる知事からの発言があった」
「またその後、知事からそのような指示があったことを副知事に報告した際、副知事が『そらそうやな』『必要やな』そういう発言があったと思っているとも供述。ただ知事からは誰とどのように情報共有しておくという具体的なことはなかった」
去年8月、斎藤知事は、情報漏洩への関与を否定していました。
「(Q.情報漏洩について)もちろん私自身もそういったことは関与も指示もしていない」
27日、斎藤知事は関与を否定しました。
「(Q.知事だけが指示していないと言っていて整合性がないが)私としては漏洩に関する指示などはしていないということ、その認識は変わりません。文書問題についてですね。きょうのこの第三者委員会の報告、それから先日の報告の中で県保有情報が漏洩したということについては大変申し訳ないと思っています」