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2025年6月16日 16:00

都会と田舎どちらが長生き?60年の追跡調査で判明 健康で長生きする人の共通点

2025年6月16日 16:00

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日本人の寿命が延びる中で、人生100年時代という言葉もよく聞くようになりました。

日本人1万人を60年間追跡調査した結果、健康で長生きをする人の生活習慣には共通点があることがわかりました。

■医療×統計 60年間の追跡調査で判明「歩きが寿命を延ばす」

福島県立医科大学の大平哲也主任教授が研究する、60年間のビッグデータは、医療と統計の技術を駆使して、日本人1万人を対象に、健康的に長生きする人の習慣を1963年から60年間追跡しているものです。

これは、健康を地域比較で調査した、世界最長の統計研究です。

『都会』の人と『田舎』の人は、どちらが長生きでしょうか?

正解は、『都会』です。

歩数が長寿に影響する』ということです。
都会は、駅までの道のりや乗り換えなどがあるため、歩数は増えます。
一方、田舎は車移動が多くなり、歩数は都会よりも減ります。

地域別の1日の歩数です。

東京、埼玉、千葉、神奈川は、平均8000歩を超えています。
一方で、岩手や秋田は、6000歩台です。

平均寿命の比較です。

全国平均が、男性81.49年、女性が87.60年ですが、神奈川と東京は男女ともに平均よりも長く、千葉と埼玉は平均に近い寿命です。

一方、岩手は、男性が80.64年で全国44位、女性が87.05年で43位、秋田は、男性が80.48年で46位、女性が87.10年で41位です。

大平主任教授自身も、歩数が減った経験をしています。
2013年、大阪から福島に引っ越しをしたところ、通勤手段が車になり、1日の歩数が1万1000歩から3000歩になりました。
その結果、引っ越しから1カ月後には、体重が2キロ増えました

大平主任教授です。
歩くことと健康の関係について、
歩くことで、ほとんどの慢性疾患を予防できることがビッグデータでもわかってきた。歩きが寿命を延ばすことが、より証明されてきている」ということです。

■ビッグデータで判明 男性の方がストレスためやすい 解消法は?

『笑い』の健康効果です。

ビッグデータで判明したストレスを抱えやすい年代のピークは、40代です。
50代で徐々に下がり始め、60代には半減します。
そして、男性の方が女性よりストレスをためやすく、さらに、男性の3人に1人が、ストレス解消法がないそうです。

ストレスはどこに出るのでしょうか。

主に3つのパターンがあります。

1つ目が『気持ち』に出るタイプ、
不安になる、イライラする、元気が出ないなど。

2つ目が『体』に出るタイプ、
胃痛、血圧上昇、眠れないなど。

3つ目が『行動』に出るタイプ、
暴飲暴食、ギャンブル、暴言や暴力などです。

ビッグデータが示す、ストレス解消に良い方法は、笑うことです。

65歳以上でほとんど笑わない人は、よく笑う人と比べて、3年後に要介護になるリスクが2倍ということです。

誰と一緒にいるときに笑っているのでしょうか

男性の場合、1位が妻、2位が友達、3位が子や孫。
女性の場合、1位が友達、2位が子や孫、3位が夫です。

大平主任教授は、こんな笑いもおすすめしています。

ラジオを聴いての笑いです。
ラジオは耳からだけの情報なので、頭を使わないと理解できず、脳を活性化させるそうです。

大平主任教授によると、
「実際に笑うのがベストだが、笑いは身体反応が重要。口を開け『あっはっは』と、笑うふりをするだけでも、健康に役立つ」ということです。

■追跡60年 長生きする人 どんな食事?飲酒量の効果的な減らし方

ビッグデータでわかった日本人の理想の食事です。

まずは『和食最強説』です。

和食をよく食べるグループは、それ以外の食事をよく食べるグループに比べて、全死亡リスクが14%低いことが分かりました。
さらに、循環器疾患死亡リスクが11%低く、心疾患死亡リスクが11%低いことも分かりました。

ただ、『和食』ですが、欠点があります。

塩分が高く、カルシウムが少ないことです。

そこで、福島県立医科大学の大平主任教授のおすすめです。
味噌汁の場合、減塩味噌に変え、具だくさんに。具材の旨味で減塩をカバーでき、栄養価もアップ。さらに乳製品や小魚をプラスして、カルシウム摂取を」ということです。

海外では、国をあげて減塩をしています。

イギリス人は、主にパンから塩分を摂取しています。
そこで、イギリス政府は2001年に、パンメーカーに少しずつ塩を減らすよう要請しました。

その結果、10年間、国民に気づかれないまま、塩分摂取量を15%減らし、2003年から2011年にかけて、虚血性心疾患と脳卒中の死亡率が4割減少しました。

個人ですぐにできる『おすすめの習慣』です。

コンビニ弁当やスーパーの総菜を買うときに、ラベルをチェックすることです。

見る項目は『塩分』です。

1日の塩分摂取目標量は、男性が7.5g未満、女性が6.5g未満です。
ランチの場合、塩分は2g以下のものを選ぶと良いということです。

ビッグデータでわかった『最適なお酒の減らし方』です。

1つ目は、飲酒中にノンアルコール飲料を飲むことで、お酒の量を簡単に減らせます。

週4回以上飲酒する男女123人を対象に、
1、いつも通り飲酒するグループと、
2、飲酒の際、ノンアルコール飲料を12週間提供し続けるグループに分けて、飲酒量の増減を12週間観察しました。

結果、いつも通り飲酒をしたグループにはほとんど変化が見られませんでしたが、ノンアルコール飲料も飲んだグループは、約30%飲酒量が減少しました。

ビッグデータでわかった『最適なお酒の減らし方』2つ目は、グラスのサイズを小さくすることです。

イギリスのケンブリッジ大学の研究です。

ワイングラスの大きさを調査したところ、1700年代には66mlだったグラスが、2017年には449mlになっていて、これが飲酒量が増えた一因ということです。

大平主任教授によると、
「小さいグラスへなみなみ入れることで、少量の飲酒でも満足できる」ということです。

そして、ビッグデータでわかった『要注意な食事法』です。

『1人ぼっち』の食事は、早食いになりやすく食べすぎてしまうので、肥満の原因になります。

どうしても1人の時は、テレビを見ながら食事をすることで、『早食い』や『食べ過ぎ』を回避することができます。

ビッグデータでわかった『最強の健康対策』です。

1週間に150分程度の有酸素運動です。

これで、肥満対策になり、健康を維持できます。

これをどうしたら習慣化できるのでしょうか?

駅まで歩きます。
例えば、片道15分かかるとすると、往復30分を5日間することで、1週間で150分の運動になります。

他にも、
買い物はスーパーよりも商店街に行くようにしたり、
●車を使う場合は、あえて建物入り口から遠い場所へ駐車することで、
自然と歩く回数が増えるということです。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年6月13日放送分より)