日本の温暖化は世界平均より進んでいる
前回までの記事では、2026年の大雨シーズンから新たに変わることや具体的行動について記述しましたが、そもそも、これほど一人ひとりが気象防災について意識を高め、避難等の判断をしなければいけなくなった背景には近年の気象災害の激甚化があげられます。
日本の年平均気温は100年あたり1.44℃の割合で上昇していて(1898〜2025年)、世界平均の0.79℃よりも高くなっています。北半球の中緯度は陸域が多く地球温暖化による気温の上昇量が大きいため、中緯度に位置する日本も世界平均よりも上昇率が高くなっています。また、日本近海の海面水温も世界平均より高く、100年あたり1.36℃の割合で上昇しています。
海面水温が高くなると空気中の水蒸気量が増え、雨を降らせるポテンシャルが高まります。一つ一つが積乱雲まで発達しやすい、というとイメージしやすいでしょうか。すでに、1時間あたり80mm以上の猛烈な雨が降る頻度は、1980年ごろと比べて概ね2倍に増えています。
台風も同じです。日本付近の海面水温が高くなることで、台風の元となる水蒸気量が増加し、台風にエネルギーを供給しやすくなります。つまり、発達した台風が勢力を維持したまま日本に接近しやすくなるのです。
温暖化が進むと気象は「極端化」する
大雨になる地域がある一方で、渇水になる地域も出てきます。実際、2025年秋から2026年春にかけては東日本〜西日本の太平洋側を中心に少雨となり、自治体によっては給水制限が行われるなど渇水が大きなニュースとなりました。もともと雨の少ない時期ではありましたが、より極端化したことで社会的な影響が大きくなったのです。さらに、暑さは今後とも拍車がかかるでしょう。熱中症による死者数の増加は大きな問題になっています。これからも天気は「極端化」し、気象災害はより一層「激甚化」する恐れがあります。
温暖化に「適応する」 そして「対策する」
2024年度の日本の温室効果ガスの排出量は、1990年度の統計開始以降最も少なくなりました。いいニュースです。それでも、温暖化の進行を今すぐ止めることはできません。今回の気象庁の新たな防災気象情報をしっかりと理解し災害への備えをすることで、激甚化しはじめた気象災害に対応していきましょう。
テレビ朝日ウェザーセンター
気象予報士 冨永 幸