サッカー×コーヒー栽培 高原直泰にゴン中山が聞く[2020/12/10 23:30]

『未来をここからプロジェクト』。時代の最先端を行く人たちに“未来”について聞きます。今回は、現役選手としてサッカーを続けながら、農業で沖縄の未来を変えようとしている高原直泰さん(41)を、中山雅史さんが取材しました。

元サッカー日本代表の高原さんは、かつて中山さんとツートップを組んでジュビロ磐田の黄金期を支えました。2015年、高原さんは、内閣府沖縄総合事務局の要請を受け、サッカークラブ『沖縄SV』を設立。最高経営責任者、監督、そして選手、三足のわらじを履き、県3部リーグから4年間で九州リーグ優勝にまで導きました。

高原直泰さん:「自分がサッカーチームを作って、そのチームが『まずJリーグ目指してやっていきます』と。それはあんま意味ないなと思った。スポーツと何かを掛け合わせて、新しいものを生み出したいがあって。会社を経営していくにも、スポンサーさんだったり、入場料だったり、そういうものに頼らずに自分たちでも稼いでいけるものが必要じゃないか。会社の一つの事業としてやっていきたい『やるぞ!』と言ったのが農業だった。そこからコーヒーが沖縄で作られている、それが産業として成り立っていない、コーヒーで産業にできたら良くね?と思った」

高原さんがコーヒーに目を付けた理由が『コーヒーベルト』。北緯25度から南緯25度までのコーヒー栽培が可能なエリアで、沖縄はその最北限にあたり、日本では数少ないコーヒーの産地です。

沖縄でのコーヒー栽培を始めるため、高原さんが話を持ち掛けたのが、かつてジュビロ磐田のユニホームの胸スポンサーだった『ネスレ』でした。
ネスレ日本株式会社・深谷龍彦社長兼CEO:「すごく夢のある話だと思いました。むしろ僕たちがチャンスを高原さんに与えてもらったかなと思います」

ネスレは、世界のコーヒー農家の保護・育成のため、各地で苗木の配布や技術指導を2010年に開始。18カ国で10万人以上のコーヒー生産者を支援してきましたが、日本での実績はありませんでした。
ネスレ日本株式会社・深谷龍彦社長兼CEO:「日本人って年間500億杯のコーヒーを飲んでいる。1人一日1杯以上飲んでいる計算になります。そういったものが、沖縄でしか作れないことになると、これは沖縄の特産品になる可能性が大いにあると思ってます。高原さんと協力していきながら、一緒にやっていきたいなと思います」

世界的企業のバックアップを得た高原さんは、さらに名護市や琉球大学とも連携し『沖縄コーヒープロジェクト』を発足しました。現在、名護市に提供された環境の違う土地2カ所で、それぞれ3種類のコーヒーを育てていて、2年後の収穫を目指し、琉球大学農学部・赤嶺光准教授の力を借りながら、試行錯誤を続けています。

高原さんは41歳の今も中心選手としてピッチに立ち続け、経営者としてもより一層、沖縄SVの運営に力を注いでいます。
高原直泰さん:「自分たち目指してるのは、6次化を目指している。加工して販売するじゃないですけど、そういうところまで。そういう(6次産業化)になったら、自分たちの雇用だったり、地域活性や地域貢献にもつながる。農業は今、コーヒーが先行している。ただ、農業はコーヒーだけではないと思っているわけです、当然。もしかしたら、コーヒーだったら一緒に養蜂やったら面白いかもしれない。コーヒーは花を付かせるので、うまくいったらコーヒーの香りのするような蜂蜜。そういうイメージで、やれないことはないと思います」


なお、映像は放送に入りきらなかったインタビュー完全版です。

こちらも読まれています