【担当記者が選ぶオールスターイチオシ選手〜阪神編〜】
2年ぶりに開催される「マイナビオールスターゲーム2021」(7月16日(金)第1戦・17日(土)第2戦)。セ・リーグ最多の得票数で選出されたのは、阪神タイガースのドラフト1位ルーキー佐藤輝明(22)。
「ホームランにはこだわっていきたい」とプロ入り前から話していた佐藤。横浜スタジアムでの場外弾、メットライフドームでの1試合3本塁打…規格外の打撃を見せ、ここまでホームラン19本(7月5日現在)。シーズン本塁打のプロ野球新人記録(31本)の更新にも期待がかかっています。
なんといっても最大の魅力は、豪快なフルスイング。なぜあんなに力強いスイングが生まれたのか、父・博信さんに話を聞きました。
「ホームランを狙おうと思ったら、自然と振りは大きくなるし、フルスイングになりますよね。佐藤家ではホームランを打ったご褒美に、輝明の大好物のお寿司を食べることになっていたので。回転寿司ですけど。」
元々食が細かった佐藤に、たくさん食べてもらいたい、そして長所である遠くに飛ばす力を伸ばしてほしいという願いを込めて、「ホームランを打ったら寿司を食わせてやる」と父・博信さんが約束。すると、小学4年生からホームランを打つようになった佐藤は、5年生で8本、6年生で23本。着実に本数を増やし、何度も約束の回転寿司へ。好物はマグロやサーモン、卵焼きだったそうです。「単にお寿司を食べられることではなく、頑張った対価としてお寿司を食べられることが、ものすごく嬉しかった」と佐藤は父・博信さんに話していたといいます。
「今も昔も、息子のホームランが生きがいなんです」と話す、父・博信さん。なぜ、“ホームラン”にこだわってきたのか。そこには、博信さんが、柔道家だったからこそのある信念がありました。
「柔道で一本が無かったら面白くないじゃないですか、ホームランもそう、野球でもホームランがありません、ランニングホームランしかありませんは面白くないですよね。醍醐味じゃないですか。いろんな考えがあると思うんですけど、ヒットの延長線上がホームランっていう人もいるんですけど、僕はホームランを目指して、その打ち損じがヒットだと思うんで。」
柔道の一本というのは、力だけでは成し得ず、技術、パワー、スピードが合致した時に相手を投げることができます。一本を狙うからこそ、上達する。一本を狙わずに、技ありや有効を狙う柔道家はほとんどいません。
野球におけるホームランも同じだと言います。タイミング、パワー、フォーム、全てが良いからこそホームランを打つことができる。
佐藤家では、「ホームランがバッティングの基本であり、ホームランの打ち損じがヒットに繋がる」という考え方でした。そんな考えを持つ父の元、体に染みついたフルスイング。佐藤にとってはこれが“当たり前”。研究熱心な佐藤は、メジャーの動画を見たり、チームメイトにバッティングの変化を見てもらったり、試行錯誤を繰り返してきましたが、フォームや構えを修正しても、決して“振る強さ”は変わらなかったと言います。
多くのホームランを放つ一方で、両リーグ最多104という三振数(7月5日現在)が取り上げられることもありますが、これは、プロでも自らのスタイルを貫いている証。
小学生から貫いてきた豪快なフルスイング。そのひと振りが今、多くのファンの心を掴み、多くの子どもたちに夢を与えています。
オールスターでも「ホームランを一番見てほしい」と話す佐藤。どんなフルスイングで球場を沸かすのでしょうか。
【マイナビオールスターゲーム2021】
7月16日(金)よる6時〜 第1戦@メットライフドーム
7月17日(土)よる6時〜 第2戦@楽天生命パーク宮城
テレビ朝日系列地上波にて生中継(※一部地域を除く)
両日ごご4時55分〜よる6時 BS朝日にてホームランダービー生中継
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