分析!大谷選手“打撃音”はオペラ!? 繰り出される驚異のパワーに何が?[2024/02/18 12:11]

■柵越え連発…絶好調の「打撃練習」

 キャンプインから1週間、順調に調整を続ける大谷翔平選手。一挙手一投足が注目されるなか、もはや一種の“イベント”のようになっているのが「打撃練習」です。

 キャンプ3度目となったフリー打撃では26スイングで推定150メートル弾を含む13本の柵越えを披露。

 驚異のパワーを見せるなか、番組が注目したのは…。

ロサンゼルス支局 力石大輔記者
「すごい音なる。レフト方向」
「パコーンと大きな音楽が流れている中でも大谷選手の打球音だけよく聞こえます」

ドジャース ロバーツ監督
「翔平はすごかった。打球の音が違うし正確に捉える」

 かつてサンデーLIVE!!では2021年の大谷選手のホームランの“打球音”を分析したことがあります。

金沢工業大学 山田真司教授(2021年取材)
「あたかもテノール歌手がコンサート会場で歌っているような
それを切り取ったような音をしているんですよ」

■打撃音は「オペラ」さらに変化が…

 昨シーズン、44本のホームランを放った大谷選手ですが…。

金沢工業大学 山田真司教授
「今年、大谷のバットが変わりましたよね。一番変わった要素というと、(2021年より)木材の材質が非常に硬くなった」

 バットを変更したことで、打球音に大きな変化が起きていました。

金沢工業大学 山田真司教授
「MVPをとった2021年、この頃は2つピークがまずあるっていうことですね。これが300ヘルツと600ヘルツの周波数なんです。300と600ってちょうど倍ですよね。歌声とか、あるいは楽器の音っていうのはこういう倍音関係、そういう構造が見えることが多い。これって声楽でいうとオペラ歌手のアルトくらいの声域なんですね」

 一方、昨シーズンはというと…。

金沢工業大学 山田真司教授
「300ヘルツ600ヘルツのところもアルトの音域だったのが、(今年は)1600ヘルツ完全にソプラノなんですよ。(2021年の)倍音関係というのは(2023年)ここでは見られない、ソプラノ歌手のような高いカーンという音になっているんですね」

 アルトからソプラノに変化した大谷の打球音。大谷と同じチャンドラー社製のバットを使用するヤンキースのジャッジ選手と比較してみると…。

金沢工業大学 山田真司教授
「やっぱり材質が同じ硬いものっていうところで共通点があるんですよね」

 一方でこんな違いも…。

金沢工業大学 山田真司教授
「ジャッジを見ていると、バットのこのしなりっていうのが、
非常に複雑な振動になっているんです。たわんだような振動。一方、大谷選手を見ると、シンプルな振動で効率的な力の使い方ということをやっているという事ですね」

 元々野球を見なかったという山田教授。大谷選手の“打球音”に魅了され、改めて音の面白さを感じたといいます

 もはや芸術ともいえる大谷選手の“打撃音”。そこから数々の“ホームラン”が繰り出されたのです。

■予定変更でゲット!? 大谷“44号”の奇跡

 昨シーズン生まれた44本のホームラン。幸運にもそのうちの1つをゲットしたファンが日本にいました。

メ〜テレ 小松崎花菜アナウンサー
「44号ホームランを放った時の1枚です。このホームランボール、記念ボールをキャッチした方が日本にいるんです。愛知県在住の近藤寿さんと若菜さんです。まさに今、持っているのが…」

大谷選手「44号」をゲットした近藤寿さん
「これが44号のホームランボールです」

 去年8月23日(現地)、二刀流として出場した試合で44号を放った大谷。その後、けがの影響で欠場もあり、このボールが最後のホームランボールとなったのです。

メ〜テレ 小松崎花菜アナウンサー
「これはちょっと削れているような…」

大谷選手「44号」をゲットした近藤寿さん
「そこにもしかしたらバットが当たったのか、跳ね返ったときに地面に傷がついたのか。もう本当に真横に飛んできたからすぐ僕がちょっと動いて取った感じですかね」

 このときの様子はバッチリテレビ中継に映りこんでいました。

大谷選手「44号」をゲットした近藤寿さん
「こんな喜んどるところがカメラに抜かれてるとは全く思ってなくて。もう本当に単純に僕がうれしかっただけで」

 キャッチした寿さんはたちまち人気者。記念ボールをカメラに収めようと近藤さんに駆け寄るファンが後を絶ちません。

メ〜テレ 小松崎花菜アナウンサー
「いろんな現地の方から、声かけられますよね」

大谷選手「44号」をゲットした近藤寿さん
「一緒に写真撮ってくれとか見せてくれとか、売ってくれっていう人もいたんですけど」

 奇跡的にホームランボールをゲットした寿さん。その背景にはもう1つの“奇跡”がありました。

大谷選手「44号」をゲットした近藤寿さん
「(現地時間)8月20日に レイズ戦を見に行く予定が、何十年に1回のハリケーンの影響で僕らが(現地)20日行く予定だったやつを(現地)19日に(ダブルヘッダーで)やっちゃったもんで払い戻しもなく うわ運が悪いなって感じでしたね」

 試合を見ることができなかった近藤さん夫妻でしたが…。

大谷選手「44号」をゲットした近藤寿さん
「せっかくだし行こうって(23日分の)急遽チケットを取り直して」

 大谷が44号を打った23日、ディズニーランドへ行く予定をキャンセルし球場へ向かったのです。

近藤若菜さん
「最初はディズニーの時間が減っちゃうので、あーって思ったんですけど、でも二刀流で『私は大谷くんに会いに来た』と思った。チケットを買おうってなったので」

大谷選手「44号」をゲットした近藤寿さん
「外野(席を)とって、『ホームラン飛んできたらラッキーかな』と、第1打席の初球いきなり飛んできてびっくりした」

 近藤さん夫妻の思い切った“予定変更”が“奇跡の”ホームランボールゲットとなりました。

大谷選手「44号」をゲットした近藤寿さん
「(Q.近藤さんにとってどんな出来事ですか?)
今までの人生の中でも本当に1番最大の、メインイベントぐらいの出来事だと思います」

写真:AP/アフロ

(2024年2月18日放送 サンデーLIVE!!)

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