【パルクール】国内最高峰の大会が開催! 「まさかとれるとは」泉ひかりが初の2冠

[2023/11/02 17:29]

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10月28日、神奈川・横須賀市の三笠公園でパルクールの日本一決定戦「PARKOUR TOP OF JAPAN YOKOSUKA2023」が開催された。国内外で活躍するトップ選手たち40名が招待され、予選なしの一発勝負で日本一を争った。

パルクールとは、フランス軍の軍事訓練に起源をもち、身体能力だけで障害物や壁をアクロバティックな技とともに駆け回るアーバンスポーツ(都市型スポーツ)の1つである。
今回の大会ではスタートからゴールまでに設置された障害物を最速で超えタイムを競う「スピードラン」と障害物を利用して自由演技を行い、その得点を競う「フリースタイル」の2種目が行われた。

■全日本王者が圧倒 スピードラン

男子スピードランは日本選手権上位選手が揃う大混戦。13秒台前半の走りが続く中、12秒台を出したのは17歳の関慎太郎。
しかし最終走者として登場とした日本選手権王者、本居一輝(もとおり・かずき 20歳)がミスを感じさせない走りで12.333秒のタイムを出し優勝を飾った。
本居は来年海外挑戦を表明しているが、残る国内大会でも結果を出したいとさらなる飛躍を口にした。
女子スピードランでは日本選手権3連覇の泉ひかり(27歳)が唯一の18秒台を記録し優勝。10代前半の若い選手が多数出場する中、国内外の大会で圧倒的な実績を誇る貫録を見せつける結果となった。

■初タイトル&初2冠 フリースタイル

今大会のフリースタイルではジャッジ(審査員)5人各自がディフィカルティ(難易度)、セーフティー(安全性)、フロウ(流れ)、クリエイティビリティ(創造性)の4つの項目ごとに審査。1人20点の合計点、100点満点で勝負を競う。

フリースタイル初優勝の勝乗

男子フリースタイルでは得点が伸び悩む選手が続く中、勝乗志音(かつのり・しおん24歳)が躍動。縦横無尽な移動技やアクロバットなひねり技を存分に魅せつけ会場を沸かせた。勝乗は今大会唯一の90点台となる90.5点で大差をつけ、念願のフリースタイル初優勝を果たした。大会後のインタビューで勝因をたずねると、「今回審判(ジャッジ)に対して届くように構成して、それイコール自分の好きな動きだったので、そこがマッチした」と語った。

独創的な演技で絶賛された 才龍之真

また2位の才龍之真(さい・りゅうのしん 20歳)は構成の中でわざと片方の靴を障害物の上に置く、裸足で大技を披露するなど独創的な演技で会場を沸かせた。ジャッジからはクリエイティビリティを高く評価され「芸術性を持たすこともパルクールの魅力の一つ」と絶賛された。構成の意図を聞くと「僕のスタイルは“逃げ”であることが多い。大技をできないし鉄棒とかも苦手なので。その中でも自分なりの美学を追求したいなと思っている。それが結果につながってうれしい」と答えた。

初の2冠を達成した泉ひかり

女子フリースタイルではラン女王の泉ひかりが広く使いスピード感あふれる演技を披露し自身初の1大会2冠を成し遂げた、「まさかとれるとは思わなかった。自分のパルクールが評価されたのがなにより嬉しい」とコメントした。

2,3位にはともに13歳の岸上はづき、軸屋まいが入賞。今回参加女子選手の大半が10代であり競技のすそ野の広がりを感じさせた。女子パルクールをけん引してきた存在の一人でもある泉ひかりは「自分がパルクールを始めたときは女子の人口はかなり少なかった。それが大会を開催出来て、フリースタイルに11人もエントリーして、パルクールが広がっていると実感する。大会や順位が注目され出したがパルクールそのものを楽しむことが広がれば」と話し、さらなるパルクールの発展を願った。

  • スピードランを制した本居/泉
  • フリースタイル初優勝の勝乗
  • 独創的な演技で絶賛された 才龍之真
  • 初の2冠を達成した泉ひかり

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