阪神・大山悠輔 追い求めた“理想の4番” 「泥臭く」チームを牽引…「全力疾走」も
報道ステーション
[2023/12/25 15:30]
38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガース。ヒロド歩美キャスターが取材しているなかで、リーグ優勝時のある選手の涙が印象的でした。4番の大山悠輔選手(29)。その涙の思いを聞いてきました。
■泥臭く引っ張る…追い求めた“理想の4番”
今シーズン、全試合で4番に座った大山選手。最大の魅力といえば、豪快なホームランです。
しかし、大山選手にとって今シーズン一番印象に残っている打席は、意外なものでした。
「甲子園のDeNA戦の押し出しのフォアボールを選んだ時ですね」
それは、14打席ノーヒットが続いていた5月の試合。2アウト満塁。勝ち越しのチャンスで回ってきました。
そして、決勝点となる押し出しのフォアボール。実はこの打席こそ、大山選手の“4番像”が凝縮されたものだったのです。
「泥臭く、嫌がられる4番になりたいなと、今年1年間思っていました。色々な考え方があるとは思うが、一番は信頼されること。チームから信頼されないといけない。やっぱり、打線の中心にいるので」
確かに、今年の大山選手のプレーは、豪快さだけではありませんでした。
際どい球には手を出さず。粘りに粘って奪ったフォアボールは、実に99個。去年より40個も多く積み上げ、チームを泥臭く引っ張る4番に成長しました。
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■信頼される選手になるために…「全力疾走」■信頼される選手になるために…「全力疾走」
しかし、そのキャリアは屈辱からのスタートでした。
7年前、阪神が大山選手を1位指名したその時、有力視されていた投手ではなく、野手の指名に落胆の声が響きました。
「そういう評価になってしまった、自分の力のなさを感じた。家族であったり、周りの方に申し訳ないっていうのが、一番ありましたね」
その悔しさを原動力に、4年目にはホームラン王争い。さらに、3年連続20ホーマーと結果を残してきました。
そんな大山選手は、信頼される選手になるためにずっと続けてきたことがあります。
「試合の中の全力疾走。凡打でも、次の塁を狙うことは当たり前ではあるけど。言葉でなく姿勢。そういうのを見せられたらいいなと思って、ずっとやってきました」
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■目指すは…もう一回「優勝、連覇、日本一」■目指すは…もう一回「優勝、連覇、日本一」
泥臭い全力疾走。それが生きたのは、日本シリーズ第4戦でした。
5回1アウト1塁3塁の場面で大山選手は、ダブルプレーを阻止する全力疾走で打点を上げると、9回、サヨナラの場面で打席が回ってきます。
フルカウントまで粘って7球目、シリーズの流れを大きく引き寄せるサヨナラヒット。泥臭く、チームの信頼に応える一打となりました。
「初めての頂きはどんな景色でしたか?」
「最高ですね。本当にもう、もう一回優勝したい。今年1年、周りの方がすごく喜んでくれる顔を見て、もう一回優勝しないとダメだなと思った。優勝、連覇、そして日本一を目指してやりたいですね」
(「報道ステーション」2023年12月19日放送分より)