大谷翔平選手 本拠地デビュー戦 “走塁ミス”も打撃好調 西岡剛さんが実演で解説

スーパーJチャンネル

[2024/03/29 20:48]

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 本拠地デビュー戦を見事勝利で飾った大谷翔平選手。打って走ってと躍動しましたが、何がすごかったのか、元メジャーリーガーの西岡剛さんに解説してもらいます。

■本拠地デビューの大谷選手 表情は?

 ここ1週間ほどの大谷選手は水原氏の問題があり、厳しい時間を過ごしたと思います。

Q.表情などからはどうご覧になりましたか?

西岡さん
「開幕前にしっかりと自身で記者会見をしました。きょう5万人ぐらいのファンが球場に詰め掛けているんですよね。大谷翔平選手の名前がコールされた時に、ファンがスタンディングオベーションでたたえた姿を見て、大谷選手はすごく勇気をもらったと思います」

 ファンのみなさん、総立ちでしたもんね。

■現地も盛り上がり ファンにとっても“特別な一日”

 現地で取材をした佐々木快アナウンサーに聞きます。

現地も大盛り上がり

Q.どんな盛り上がりだったんでしょうか?

佐々木アナウンサー
「すごかったですね、本当に。地元のファンにとっては、まさに待ちわびた、待望のデビュー戦だったということで、しかも、大谷選手いきなり活躍をみせました。あるファンは、『きょうはお祝いだね』と話していました。まさにお祝いムード、お祭りムードのなか、ファンにとっても特別な一日になったようです」
ドジャー・スタジアム

Q.特に印象に残ったシーンはありますか?

佐々木アナウンサー
「選びきれないんですが、西岡さんも言っていた大谷選手が登場するスタメン発表のシーンです。背番号と名前『No.17ショウヘイオオタニ』と読み上げられたはずなんですが、『No.17』のところでファンが一気に立ち上がって拍手を送って、そして『うわ〜』っと歓声を上げました。ですので、名前が読み上げられたはずなんですが、球場のスピーカーの音声すらもかき消すほどの大歓声でした。試合前には、大谷選手への期待とか歓迎の言葉をさまざま聞きましたが、大谷選手が初めて現れた瞬間にファンのその思いが一気にあふれ出たような、そんな感じでした」
「今回、本拠地開幕戦を取材してみて、一番の発見があったんですが、それが、ファンがあることを確信していることです。あることというのが、ワールドシリーズ制覇です。ここ数年遠のいている状況ですが、大谷選手が打線に加わったことで、『今年はいけるぞ』『今年はやれるぞ』とファンのみなさんの気合いというのを強く感じました」

■第1打席のシーン…大谷選手のミス?

 では、きょうの大谷選手のプレーについて、西岡さんに聞いていきます。

 まず、気になったのはこちらのシーン…第1打席、ライト線にヒットを打った後の大谷選手。二塁を回ったところで急ブレーキ!結果、タッチアウトとなりましたが…。

大谷選手の第1打席

Q.これは何が起きたんですか?

西岡さん
「大谷選手が打った瞬間、70%〜80%の確率で一塁ランナーのムーキー・ベッツ選手はホームまでかえれました。かえれたんですけど、まだ試合始まって1回の裏なんですよね。ということは『100%生還できる』のでなければ、次のバッターが(強打者の)フリーマン選手なので、三塁コーチャーがストップするんですが、大谷選手からすると、ムーキー・ベッツ選手の足だとホームまで行けるだろうという予測を、早く決め付けすぎた。かたや、三塁コーチャーも、ストップをかけるのをギリギリまで引っ張ったんです。遅かったんです、ストップっていうサイン出すまでが。その時に大谷選手は、(三塁コーチャーが)ホームへと指示すると判断して目を離した瞬間、三塁ストップを指示したので(ベッツ選手が)止まったことで詰まってしまった。これは大谷選手のちょっとしたミスです」
西岡さん「大谷選手のちょっとしたミス」

Q.普通はどのタイミングでサインを確認するものでしょうか?

西岡さん
「二塁ベースを踏む前に目視します。打球も自分で見られるので自身の感覚なんですが。この時、三塁コーチャーはまだサインを出していなかった。腕を回すこともしなかったし、ストップかけることもしなかったので、大谷選手からするとムーキー・ベッツ選手の動きを見て『ホームへかえる』という臆測で、三塁コーチャーから目を離してしまったというところです」

Q.大谷選手としては三塁打いけるなっていうような確信もあったってことですか?

西岡さん
「イージーで三塁打は行けます。行けますし、あの瞬間1点取れる場面でもありました」

Q.大谷選手としても積極的に次の塁を狙っていこうとしていた?

西岡さん
「狙ったんですが、今回に関しては、ミスです」

 大谷選手もたまには、失敗しちゃうこともあるということです。

■西岡さんが実践「肩が開かず打っていた」

 次に、打撃について聞きます。

Q.注目したポイントは?

西岡さん
「1打席目です。ランナーとしてはアウトになりましたが、二塁打。1番バッターが塁に出てノーアウトランナー一塁で、(大谷選手の)次のバッターはフリーマン選手です。そこで大谷選手は追い込まれてからも引っ張りに行く。一塁・ライト方向に打ちに行きました。一二塁間に行けば、最悪一塁ランナーが三塁まで到達できる確率が上がります。その可能性を信じて大谷選手は、追い込まれてからも引っ張りに行った結果、しっかりとライト方向に打てた。右方向に引っ張りたかったので、肩を開かずにしっかりと打っていました」
西岡さんが実践

Q.その肩、実践して見せてもらっていいですか?

西岡さん
「大谷選手構えます。普通、アウトコースの低めって一番難しいんです。大体は引っ張らずにサード・ショート・レフト側、逆方向に打つんです。でも一塁ランナーを三塁に進めたい大谷選手は『一塁側に打ちたい』ということで、この肩が開かずにずっと残ったまま、残ったまま、残ったまま…バットの角度だけで逆方向に引っ張りに持っていけたという、技術がすごく高いです。肩がちょっとでも開くと空振り三振する球なんです」

Q.このバッティングができるということは状態はいいということ?

西岡さん
「そのとおりです」

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年3月29日放送)

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