パリオリンピックでは旗手を務めたブレイキンのShigekix選手(22)。
先週行われた日本選手権では2年ぶりの優勝を果たしました。その日本一の裏には能登半島地震の被災地・石川県輪島市との強い絆がありました。
■イベント会場、水と電気は止まったまま
先月、石川県輪島市。
「報道の映像で見ている景色とこうやって肉眼で見る景色、感じるものが全く違う。1年という月日を経ても、そう簡単に状況が戻らないんだな」
Shigekix選手が訪れた石川県は「ブレイキン大国」と呼ばれるほど、ブレイクダンスが盛んな地域です。20年ほど前から多くのダンススクールが創設され、競技人口は日本でもトップクラス。
パリオリンピック代表・Hiro10選手など世界で活躍する選手も輩出しています。
輪島市でもブレイキンのイベントを毎年開催。しかし去年は、地震と豪雨の影響で中止を余儀なくされました。
Shigekix選手が話を聞いたのはイベントの責任者・輪島市役所の角一之さんです。
「衝撃ですよね」
「はい。衝撃です」
「『もう輪島終わったな』と」
「こう直視するのは心が痛い」
かつてイベントが行われていた会場は、水も電気も止まったまま。子どもたちが踊っていたステージは各地からの支援物資が置かれていました。
「この風景見て何とも言えない気持ちになります。いっぱい練習してきて頑張って努力して舞台に立つ。特別な場所」
「本当にその瞬間に生きている。言葉で言い表せない。風景、景色、空間にできないもの」
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■「ブレイキンに触れたことによって人生が変わる」■「ブレイキンに触れたことによって人生が変わる」
輪島市は子どもたちのために、3月にブレイキンイベントの復活を決めました。そこにはShigekix選手の姿もありました。
「本当にわくわくします」
「今自分にできることは何なんだろうって、この現状を見て考えさせられています。ブレイキンの大きなテーマは『世界平和』『心が平和』。この被災地は争いごとではないですけど、心が傷ついたり、平和な状態になれない。そんな方たちに少しでも心が平和になる、温かくなる。きっとブレイキンはその力がある」
イベントの本番会場となる体育館。そこに2人の子どもたちがやってきました。3月のイベントに参加する、小学2年生の和空(わく)君と明日檜(あすなろ)ちゃんです。
「練習あんまりできてない?」
2人は震災後、日常生活もままならず、踊るのが難しい時もありました。
イベントに向けてみっちり1時間。頑張った2人に“ある景色”を見せることを約束し、この日のレッスンを終えました。
先週、東京で行われたブレイキンの日本選手権。会場には和空君と明日檜ちゃんの姿がありました。
2人の前でShigekix選手は、思いのこもったパフォーマンスで見事日本一に輝きました。
「かっこいい」
「回ってるところがかっこよかった」
「きょう会場に能登半島地震の被害に遭われたご家族、そしてそのブレイキンを始めたての子たちも今回、招待させていただいて。自分と同じようにブレイキンに触れたことによって人生が変わる、そんな少年少女を世界で一人でも多くの子に影響を与えたい。それもまた一つ自分のできること」
Shigekix選手が参加する輪島市の復興イベントは来月9日に開催されます。
(「報道ステーション」2025年2月25日放送分より)












