巨人の先発・山崎伊織投手。プロ5年目の26歳は開幕から35イニング連続無失点中。プロ野球記録まで残り3イニングと1人です。好調の理由を聞いてきました。
■連続無失点を支える武器・フォーク
「開幕から連続無失点、セ・リーグ記録おめでとうございます」
「ありがとうございます」
山崎投手は、開幕から35イニング連続無失点。セ・リーグ記録を更新し、86年ぶりの日本記録にも迫っています。
「なぜ、これだけ連続無失点が続いている?」
「落ちる球が良くなった」
山崎投手が奪った三振のおよそ半分が、鋭く落ちるフォークボールによるもの。去年の15.7%から31.6%(5/6時点)と、投げる割合も倍増しています。
実はこのフォーク、シーズン開幕直前にある改良をしていました。
「開幕の前に(阿部慎之助)監督から呼ばれて。『落ちるボールがあれじゃ(打者は)振らないから』『もうちょっと変えてみろ』と言われた」
オープン戦防御率6点台と、なかなか結果が出なかった山崎投手。フォークを見極められるシーンも多くありました。そこで…。
「内海投手コーチに『ちょっとスプリットっぽくできないの?』と言われて、投げたら良かった」
「どういうことを変えた?」
「握りもちょっとだけ変わった。指のこの半分よりも少ない、半分よりちょっとないくらい狭めてみるとか」
「ちょっとした意識の問題」
「そういった感覚は得意な方」
なんと、開幕直前にフォークを改良。少し握りを狭め、フォークの球速は去年の時速137.3キロから時速141.1キロ(5/6時点)と、4キロ近くアップ。コントロールも良くなり、大きな武器となりました。
「やっぱりバッターの反応も良い。落ちるボールが良くなったのがすごく大きい」
「この先にプロ野球記録が見えてきますが」
「できればゼロを続けたいと思いますけど、点を取られた後の方が大事なので。点を取られてから、しっかりと気持ちを切らずに抑えたい」
■巨人 チーム一丸で連敗ストップへ
球界の歴史に名を刻むのか、7日の巨人対阪神に先発として登板しました。
山崎投手は1回、好調の森下翔太選手(24)にフォーク。こちらも好調、佐藤輝明選手(26)にもフォーク。阪神の主軸を自慢の球で無失点に抑えます。
2点リードの2回、1塁2塁のピンチ。セカンドの吉川尚輝選手(30)が悪送球。山崎投手は37イニング目にして今シーズン初失点を喫します。
さらに3回、森下選手のツーベースとエラーが絡み2対2の同点。しかし、点を取られてからが大事という山崎投手。その後はフォークを低めに集め、後続を断ち切ります。
2対2の4回、けがの岡本和真選手(28)に入れ代わり7日、1軍復帰の坂本勇人選手(36)。今シーズン初の長打がタイムリー。巨人はこの回、4点を勝ち越します。
リードをもらった山崎投手は5回。森下選手に4試合連続ホームランを浴び2点差。5回4失点で後を託します。
2点リードのまま7回、ランナー2塁1塁で4番手・田中瑛斗投手(25)が対するは森下選手ですが、ショートゴロのダブルプレーで打ち取り、リードを守り切りました。
山崎投手は連続無失点記録こそ途切れたものの5勝目です。
(「報道ステーション」2025年5月7日放送分より)