Bリーグ初のドラフトが1月29日に開催される。
ドラフトへの参加資格を持つ26チームのうち、23チームが参加する。
今回のドラフト導入にどのような期待や課題があるのだろうか。
男子バスケ元日本代表選手であり、現在は白鴎大学男子バスケ部の網野友雄監督にお話を伺った。
ドラフトが選手とクラブに与える影響は?大学バスケ部の舵取りにも影響
強豪校がひしめく関東大学リーグでトップチームの監督としての手腕を発揮する網野監督。
ドラフト制度の導入により、大学バスケ部の運営や選手の育成に影響はあるのだろうか。
「下級生(新3年生以下)がエントリーしたいって言ったらどうしようというところがありますね。なおかつ、エントリーしたのに指名されなかったっていう時どうしよう。戻すの?みたいな…」
網野監督は不安げな表情を浮かべていた。
選手がドラフト志望届を提出するにあたり大学1〜3年生は、翌年度は学連に所属しない予定であることが条件として挙げられている。ドラフトに志望するということは、来年は大学のチームでプレーをしないという意思表示にもなる。
大学側としては、指導者の考え方によってだが、ドラフト志望をしたからといってチームに戻ってこられないわけではない。
「(ドラフト志望をしていない選手が)じゃあ、俺が頑張ろうって思っていたら(指名されずに)戻ってきちゃったみたいな。モチベーションの浮き沈みの一つの要因になるので、そこが難しいですね」
高校やユースチームから推薦枠や特待生の枠を使い、有力な選手を獲得している大学も多い。
大学の顔になるような生徒が1,2年でプロに転向してしまうのは、経営側としても難しく思うところのようだ。
「大学4年間の中で成長の曲線が各選手によって違うので、そこで途中で出る人と最後までやりきる人っていうところに分かれていくことが大学の中では起きている。その出てくことに対して、肯定的なのか否定的なのかっていうところのルールの設備やシステムの設置というところが、今後の課題じゃないですかね」
Bリーグと大学などの各カテゴリーがコミュニケーションをとっていくことがより重要になる。
「いい環境を与え続ける」指導者としての想い
一方でチームの舵取りがしやすくなる部分もある。
「今のドラフトの時期であれば、ワンシーズンは必ず大学でプレーをすることになるので、下級生が抜けても次はその子がいない前提でチーム作りができる。ドラフトがなくていつ(選手が)抜かれるかわからない状態よりはチーム作りはしやすいですよね」
今年度の白鴎大学では、9月にチームの柱であった佐藤涼成選手が大学を退学し、広島ドラゴンフライズへ特別指定選手として加入した。
網野監督は本人の意向を汲み、3年半かけて育て上げた佐藤選手を送り出したが、この佐藤選手の決断にはドラフト制度の導入が少なからず関係しているのではないかとの見解を示していた。
佐藤選手に代わりキャプテンに指名された佐古竜誠選手はインカレでも存在感を発揮し、チームを優勝に導いた。佐古選手に限らず多くの選手が「自分がやる」という意識をもったのかもしれない。
「チームの中で一人が出ていったら誰かにチャンスがいって、その子が伸びるっていうことは出てくるので、そういうことを現場の人間としては続けるしかない。現場の環境を整えて、ここにいたら成長できるとかやりがいを感じるとか、そういうことが自分にできる唯一のことかなというふうに思う。途中で出ていく選手がいたとしても、その環境を与え続けたいなと思っています」
バスケットボールの指導者としての熱い想いに感服だ。
ドラフト制度により、チームを離れるか否か、その時期がより明確になる。大学在学中でもエントリーする選手は今後も出てくるだろう。各チームの指導者の手腕も試される。
注目の選手は
クラブはどんな選手を指名するのだろうか。
「本当に今必要な選手じゃないですか。全体的な認知度っていうことよりも、ちゃんとそこのローテーションに定着をして、1,2年の中で試合に絡んでくるっていうことができる選手が理想だと思う」
12月22日(月)に開催された『B.LEAGUE DRAFT 2026 LOTTERY』で指名順1位を獲得したサンロッカーズ渋谷の松岡GMは、「看板をつけられるような選手であってほしい」と語っていた。
なによりも気になるのが、誰が指名されるかだ。
サンロッカーズ渋谷は1月13日(火)に候補選手10人を呼び、「サンロッカーズ渋谷 Pre-Draft Workout 2026」を開催した。このような各チームでのワークアウトはNBAでも行われている。
ドラフトコンバインにも参加した松野遥弥選手(専修大4年)をはじめ、ガードポジションの選手がメインに集められた。
「あの10人の中にいるのかなって勝手に思っています」
初めてのドラフトで『1巡目1位』の看板をつける選手は10人の中にいるのか注目だ。
「つながることが大事」 バスケファンを一つにする
ドラフト制度により、「高校バスケ」、「大学バスケ」、「Bリーグ」それぞれのファンがそれぞれのリーグに意識を向けやすくなる側面もある。
ドラフトに関するインタビューで島田慎二チェアマンは「甲子園や箱根駅伝のような物語をバスケにも。学生時代のヒストリーをプロへ接続させたい」と語っている。
Bリーグドラフト特設サイト 島田慎二チェアマンインタビュー「そうやってつながっていくことが大事なことだと思います。その子の文脈をちゃんと辿れるっていうところはすごくいいところ」
日本バスケ界のさらなる発展に、ドラフト制度はどう働いていくのだろうか。
11年目の新シーズンに更なる注目が集まるだろう。




