“春節大移動” 岐阜・青森 人気急上昇のワケ 中国富裕層向けぜいたくツアー全容

モーニングショー

[2024/02/13 20:21]

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のべ90億人が移動するとされている春節の大型連休。
多くの中国人が日本を訪れるとみられていますが、特に人気なのが岐阜と青森だといいます。

■岐阜人気 去年11位→5位に“急上昇”

春節の人気都道府県ランキングです。

1位:東京、2位:大阪、3位:北海道、4位:京都と続く中で、5位に岐阜が入りました。2023年の11位から急上昇です。

SNSの声です。
「北海道より、飛騨高山の方がコスパがいい」
「雪景色が本当にきれい。まるで仙人が住む場所に来た感じ」

■なぜ人気? 白川郷観光協会「体感的に4割増」

岐阜の人気スポットは、世界遺産・白川郷の雪景色です。

上海から来た観光客は、「子どもが雪を見たいというので、上海には雪がないから、雪の多いところを選んだ」と話しています。

白川郷観光協会によると、「今年に入って、特に中国の方が体感的に4割くらい増えている」ということです。

そして宿場町も人気です。

中津川市の馬籠宿は、中山道の43番目の宿場町で、歴史を感じさせる街並みが注目されているということです。岐阜の郷土料理・五平餅も人気です。

上海から来た観光客は、「来たのは2回目。土地が静かで、昔の家を見るのがいい」と話しています。五平餅を販売する店は、「春節にかけて、多くの外国人が来て忙しい。予約もいっぱい」だといいます。

絶景大パノラマです。

高山市にある『新穂高ロープウェイ』。2階建てのゴンドラで見る北アルプスの絶景大パノラマが人気です。

中国からの観光客は、「何回でも行きたい、宝のような場所。山頂の森を散策していると、童話の世界にいるような感覚」だと話しています。

温泉は、下呂温泉、日本三名泉の一つです。

下呂温泉合掌村では、春節ライトアップが8〜12日まで開催されます。

中国からの観光客は、「2日間温泉につかった。風景が本当にきれいだと思う。(中国にはない)足湯があるのも特別な体験」と話しています。

製作体験です。

郡上市の郡上八幡は、食品サンプルの町として知られています。『食品サンプル創作館 さんぷる工房』では、食品サンプルの製作体験ができます。

台湾からの観光客は、「食品サンプル製作体験をした。すごく面白かった」と話しています。

■「Weibo」登録者数130万人に 青森県の人口超える

中国では、青森も注目されています。

中国のSNS『ウェイボー』では、青森県の公式アカウントを登録している人が130万人で、青森県の人口118万人を超えています。

SNSの声です。
「海鮮もリンゴのアイスもすごく美味しい。また来たい」
「青森は、予想以上に良かった。本当に行くべき!特に冬の青森は、雪が降るからより美しい」

■ねぶたの展示や体験 7〜8割がアジア系

人気施設です。

ねぶたの家『ワ・ラッセ』では、実際に使用されたねぶたを展示していて、踊りや演奏を体験できます。

中国からの観光客は、「ねぶたの画風や色彩、制作技術、特に祭りという文化の継承に感動した」と話しています。

施設の担当の方によると、「日によっては、7〜8割がアジア系、中国などからの個人旅行が多い」ということです。

地元グルメです。

青森魚菜センターの『青森のっけ丼』が人気です。
中国からの観光客は、「自分だけの海鮮丼を作れるのは、すごく特別な体験」だと話しています。

温泉です。

酸ヶ湯温泉も人気です。中国からの観光客は、「(中国にない)混浴を体験した。2回入ったけど、本当に気持ちよかった」と話しています。

■“絶景&美食” 中国富裕層向けツアー全容

中国の富裕層向けのツアーが、すごいことになっています。

『非日常な美酒・美食体験の旅』

2泊3日で、1人約311万円です。日本に到着すると、7人乗りの車と中国語のガイドがついてきます。往復の航空券は含まれていません。

旅行の1日目、東京から山口へ飛行機で移動します。ビジネスクラスです。
山口に着いたら、獺祭の蔵元・岩国市の『旭酒造』で、酒蔵を見学。非公開エリアも案内してくれます。
昼食は、獺祭に合ったフランス料理を食べ、その後、広島に移動します。

広島への移動後は、日本三景・宮島の対岸にある美術館、レストラン、ヴィラが一体になった施設『SIMOSE』で、夕食は地元食材を使用したフランス料理を食べます。
そして、ジェットバスやキッチン、オーブンなどが付いたヴィラに宿泊します。

2日目です。

昼食は日本庭園から宮島を望む旅館『石亭』で懐石料理を食べます。
昼食後は、プライベートジェットで東京へ向かいます。

東京に移動した後は、お台場のレストランで、神戸牛や伊勢海老などを使用した鉄板焼で夕食です。
宿泊は都内のホテルのスイートルームです。

最終日の3日目は、都内での自由行動です。

■「フランス料理も日本で」中国の社会事情

中国の社会事情などに詳しいフリージャーナリストの中島 恵さんです。

「中国では、日本酒がブームなので、酒蔵見学したい人も多い。神戸牛、伊勢海老といった高級食材の名前も知っていて、フランス料理も日本の方がおいしい。富裕層の人たちは、金額が高くても、自分たちの求めているものを選択する」

■“聖地”中国富裕層に需要 日本の観光資源

もう一つ、富裕層向けのツアーです。

『千年の時を超えた童話世界』

4泊5日で、1人約93万円です。
ツアーの目玉は、山形の銀山温泉です。
ツアーの内容の説明では、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』やドラマ『おしん』の故郷であり、アニメの温泉旅館の原型でもある銀山温泉は、まるで千年の時を経て、おとぎ話の世界に入り込んだ気分になれるといいます。

聖地にちなんだ、こんな体験もできます。

『おしん』で登場した銀山こけしの絵付け体験です。

そのほか、最上川の舟下りで雪景色を見ながら、船頭の舟唄を聞いたり、蔵王の樹氷を見に行ったりします。

その後、移動した仙台では、万華鏡美術館で万華鏡手作り体験をして、伊達政宗が創建した国宝の『大崎八幡宮』を見学します。

山形と宮城のご当地グルメも食べられます。

山形で創業300年の老舗旅館『深山荘 高見屋』の名物、蔵王牛のすきしゃぶ鍋。そして、仙台では牛タンです。

中島さんによると、「中国人は、聖地巡礼が好き。知的な刺激を求める人は、歴史的情緒のある老舗にも惹かれる。そういった内容が複数含まれるプランは需要が高い」ということです。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年2月9日放送分より)

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