給料上がった!でも物価はもっと上がった!…いったい生活はいつ楽になるの?
[2024/04/26 16:05]
今年の春闘で33年ぶりに5%を超える賃上げが実現しました。
しかし、私たちが生活する中で身近なものがどんどん値上げされ、生活は楽になりません。実際に経済は良くなっていると言えるのでしょうか。
データを見ながら専門家に話を聞いてみました。
(テレビ朝日報道局 今井友理)
■日本は不況に?低迷する個人消費
日本でその年にどれだけの経済活動が行われたかを示すGDP(国内総生産)は、食費や光熱費、通信費などの個人消費が約5割を占めていて、個人消費が日本の経済に大きく影響を与えていることがわかります。
現在の個人消費はどれだけ活発なのでしょうか。
総務省が発表している家計調査のデータを見ると、消費支出いわゆる生活費は、実質で前年同月を12カ月連続でマイナスに推移していることがわかります。
すでに不況に突入していると言えるのでしょうか。
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■物価上昇率は3%前後が続き、賃上げ分相殺か■家計はスタグフレーション、企業収益は高水準
「物価高の中での低成長、物価高の中での個人消費の低迷という状況ですので、少なくとも家計目線で言えばスタグフレーション(景気が停滞しているのに物価上昇)に近い状況になっています」
しかし、不況に突入しているかという観点でいうと、
今後、個人消費も改善され景気は改善していくのでしょうか。
■物価上昇率は3%前後が続き、賃上げ分相殺か
なぜ回復に時間がかかるのでしょうか。
現状の物価上昇率をみてみると、過去12カ月で2.0%〜3.0%の高水準で推移していることがわかります。酒井氏の見立てではこの状態がこれからもしばらく続くようです。
さらには政府の政策も影響していると言います。
ではこの物価と賃金の関係がどういう状態になることが経済にとって望ましいのでしょうか。
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■「良いもの作って高く売る社会に転換を」■「良いもの作って高く売る社会に転換を」
現状の物価上昇率と賃金上昇率を比べてみると、物価上昇率はプラスに、実質賃金はマイナスに推移し続けていることがわかります。
経済が安定するためには、実質賃金が物価よりプラスに推移し、それが続いていくというのが本来の理想の姿です。
実質賃金が物価よりプラスに推移するにはどうしたらいいのでしょうか?
中小企業については
実質賃金を上げるということは食費などのモノの価格だけでなく、サービス価格が上昇するということも大きなポイントになります。
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■「沈黙していた家賃」に変化が 3月は0.4%上昇■サービス価格がモノの上昇率を上回る
総務省が発表しているデータを見てみると、過去12カ月でサービス価格がプラスに推移しています。今年の1月にはサービス価格の上昇がモノの価格の上昇率を上回っているのがわかります。
サービス価格は全体的に上昇しているのでしょうか?
サービス価格が上昇している要因は一体何なんでしょうか?
さらに、今まで上昇することのなかった家賃も上昇し始めています。
■「沈黙していた家賃」に変化が 3月は0.4%上昇
サービス価格の約2割のウエイトを占める家賃が2023年に前年比で25年ぶりにプラスに推移しました。東京都区部の民営家賃のデータを見ても2023年10月から徐々に上がってきていることがわかります。
家賃がこれまでほとんど値上げされてこなかったのはなぜでしょうか。
ではなぜ今家賃が上がってきたのでしょうか。
今後、家賃が上がるということはあるのでしょうか。
■サービス価格の上昇は良いこと?悪いこと?
サービス価格の上昇は経済にとって良いことなのでしょうか。悪いことなのでしょうか。
では個人消費が活発になるには具体的にどういったことが必要になるのでしょうか。
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■「賃金も物価も上がらない国」から日本はどう変化する?■「経済の好循環」を作り出すことが必要
日本経済が良くなるということは、賃金が上昇したら消費が増加し、消費が増加したら物価が緩やかに上昇するというサイクルになることです。いわゆる『経済の好循環』を作り出す必要があります。
しかし、今の日本は賃金と物価は上がっているけど個人消費が増えていないという状況です。
さらにこれまで以上にお金を増やす工夫が必要となっています。
そうはいっても、消費者からすれば投資に回すお金がないのも現実です。経済の動きがめまぐるしく変わっていく中で、自分から様々な情報をキャッチし、自ら判断して対処していくことが必要になります。
■「賃金も物価も上がらない国」から日本はどう変化する?
昨年、今年の経済状況から見て今後、日本の経済はどうなっていくと予想されるでしょうか。
食料やエネルギーの多くを輸入に頼る日本経済は、海外情勢に大きく左右されます。今世界では紛争が拡大しています。アメリカ経済もいつ揺らぐかわかりません。日本経済は大きな変化の時期を向かえていますが、予断を許さない状況が続きそうです。