【池上解説】韓国で空前の日本ブーム!?「もしトラ」で日本が不景気に!?

[2024/03/23 21:00]

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「世界一石油が採れるのは中東ではなくアメリカ」「人口世界一は中国ではなくインド」…世界は今大きく変わっています。でも学校で習ったことや古いイメージのままの人、多いのではないでしょうか。そこで今回は世界の「今」にアップデートしていきましょう。

■空前の日本ブーム到来…韓国

前の政権時代、日韓関係は戦後最悪とまで言われていました。反日運動、不買運動など盛り上がっていましたね。まだその時のままのイメージの人はいませんか?今のユン・ソンニョル政権になってから急激に関係は改善されています。実際にソウルの街で聞いても、若い人を中心に、日本が大好きという人がたくさんいました。

ソウルの弘大入口という繁華街には日本語の看板がたくさんあります。日本名の名前がついたお店や居酒屋が並んでいます。日本の飲み物や食事がすっかり浸透しています。

こんなデータもあります。韓国で日本の好感度を調べたところ、今年過去最高を記録しました。

やはり2022年にユン大統領が就任したことが大きいですね。しかし、好感度が高いといっても半数以下の44%です。まだまだ反日の人はたくさんいます。特に中高年以上の人は、反日教育を受けてきたこともあって、日本に厳しい声が強いんだということですね。ユン大統領も今は日本に友好的ではありますが、4月には韓国で総選挙があります。ここで与党がどうなるのか、それによって韓国の国内の雰囲気がどうなるのか、友好的なムードが続くのか、これから注意深く見ていく必要があります。

■池上彰が現地取材!全米が注目…アメリカ・ダラス

続いてはアメリカです。テキサスというと、サボテンやカウボーイというイメージある人、多いのではないでしょうか。でも今テキサスは急速に変わっています。私も現地で取材をしてきました。

テキサスには今、名だたるたくさんの会社の本社が移ってきています。ITや金融の中心になりつつあるんです。日本最大手の自動車会社の北米本社も今はダラスです。多くの企業が集まってくる最大の理由が法人所得税がないことです。あとアメリカの真ん中に位置するため、ロスなど西海岸にも、ニューヨークなど東海岸にも行きやすい。交通の要衝でもあるんですね。

そんなテキサスにはたくさんの不法移民がいます。メキシコとの国境があるため、中南米から多くの人がやってくるんです。中には川を渡ったりしてやってくる移民もいます。現地でも大きな問題となっている一方で、彼らの保護を積極的に行っている教会もあります。

日本は少子高齢化で働く人、労働人口がどんどん減っています。でもアメリカは順調に経済成長を続けています。それは移民のおかげと言われているんです。今アメリカの人口の4%が移民です。そして今増えている労働人口の実に7割が移民とその子孫なんです。「移民がいなければアメリカはただの国」そういう専門家もいるほど。日本とは全く違いますね。

アメリカにはサンクチュアリシティと呼ばれる都市があります。
不法移民をかくまう都市のことです。ニューヨークやシアトル、ロサンゼルスなどなんですが、
ここでは、入国管理当局が不法移民を強制送還させようとしても、都市が拒否することができるんです。その都市にさえ入ってしまえば、あとは保護される。移民にとっては優しいですよね。
だからこそ、アメリカを目指して多くの移民がやってくるんです。

トランプ氏はメキシコとの国境に壁をつくろうとするなど、不法移民に強硬な態度をとっています。
移民にどう対処するのか、それが11月の大統領選挙でも争点のひとつとなっています。

■「もしトラ」で日本にどんな影響が?

■「もしトラ」で日本にどんな影響が?

「もしトラ」…もしまたトランプさんが大統領になったら、お金持ちや大企業の減税をするといっていますから、結果株価が上がって、結果的に日本経済もよくなるかもしれない。でも日本など世界からの輸入品に10%の関税をかけるといってますね。特に中国からの輸入品には60%の関税かけるといってますから、中国と経済的に関係の深い日本も影響を受ける可能性があります。さらに在韓米軍を撤退させるとも言っています。北朝鮮の脅威に日本や韓国がさらされる、ということを考えると、日本にとっては悪いことも多いかなと思いますね。

(池上彰のニュースそうだったのか!! 2024年3月23日放送より )

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