政府はイランに滞在する日本人の退避に向け、自衛隊機を派遣する調整に入ったことが分かりました。
■イランは強気の姿勢を貫く
いくつものミサイルが空に向かって放たれていきます。イランの革命防衛隊が公開した発射の映像です。
イスラエルの攻撃から始まった両国の交戦は、18日で6日目に入りました。
イランの首都テヘランでは建物が炎上し、巨大な黒い煙の柱が上空へと伸びました。イスラエルによる空爆です。
イランは強気の姿勢を貫いています。
「これまでの作戦はあくまで警告と抑止のためだった。まもなく懲罰的な作戦が実施される予定だ」
イランの最高指導者ハメネイ師もSNSに…。
ハイバルとは、かつて預言者ムハンマドがユダヤ教徒との戦いに勝った場所です。
ただ、住民は恐怖の中で暮らしています。
「爆発音を聞くと本当に怖い。泣きながら店の外に走っていったお客さんもいたよ」
「テヘランを出て、もっと安全な場所に行きたい」
イスラエルは、イランが核兵器を手に入れようとしていると主張し、攻撃を始めました。
そして最大の標的の一つがフォルドゥという核施設です。フォルドゥがあるのは、イラン中部の山岳地帯。この山の地下およそ80メートルの深さでウランの濃縮を行っているとされます。地下にある理由はイスラエルの攻撃を避けるためです。
そこで注目されているのが「バンカーバスター」と呼ばれる爆弾。地中にまで貫通してから爆発するように設計されています。
ただ持っているのはアメリカ軍だけ。搭載できるのも、アメリカ軍のステルス爆撃機B2だけです。
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■米国参戦もあるか トランプ氏の胸中は■米国参戦もあるか トランプ氏の胸中は
トランプ大統領は、イランに向けたとみられるメッセージをSNSに投稿しました。
また、このような投稿も。
「イスラエル」ではなく「我々」と書いたことから、アメリカも戦闘に加わるのではないかとの見方も出ています。本音はどこにあるのでしょうか。
前嶋和弘教授
「本音は迷っているところだと思う。もしバンカーバスターを使うなら、アメリカのコミットメントは大きくなるので、イランがアメリカの施設に攻撃してくる可能性がある。そうすると、さらに戦禍が大きくなっていく可能性がある」
アメリカが参戦すれば、イランは報復として中東にあるアメリカ軍基地を攻撃する可能性があります。
「イラン攻撃はアメリカが巻き込まれて血を流すことになりかねない。トランプ大統領の支持層で一番大きいのがキリスト教の福音派と言われていて、この人たちは徹底したイスラエル支援。イスラエルのためにアメリカは、イランを攻撃しても良いと思っている人も結構いる。一方でアメリカは、アメリカファーストであって他の国のために何かすべきではないと思っている人たちも結構いる。この2つの支持層で分かれるので、トランプ大統領が曖昧(あいまい)」
ただ当初の「不介入」だった姿勢から徐々に「関与」の可能性へと傾きつつはあります。
ニューヨーク・タイムズによると、イスラエルの軍事的才能をたたえるテレビ番組を見た後、「自分の手柄」だと主張せずにいられなくなり、記者に対して「裏で大きな役割を果たしている」とほのめかし始めたといいます。
日本政府は、イランに滞在する日本人の退避に向け、自衛隊機を派遣する調整に入っています。
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