【あなたを守る防災】「台風」 重要な“防災タイムライン”【予報士のつぶやき】[2023/03/08 19:30]

毎年多くの台風が発生し日本に近づいてきます。2004年には10個もの台風が上陸し大きな被害をもたらしました。平年でも3個の台風が日本に上陸しています。

■知っておくべき情報「台風情報の見方」
〇台風の予報円
テレビやインターネットでよく見る予報円。時間が先になるほど円が大きくなりますが、これは台風の大きさを表したものではありません。台風が進む確率が70%という範囲を示した円です。つまり、円が大きければ大きいほど、どこに進むか分からないということになるのです。
〇大きさと強さ
台風の前に「大型で非常に強い」など表現がついているのを聞いたことがあると思います。これは、台風の大きさと強さを示しています。大きさは、風速15メートル以上の風が吹いている範囲を示しています。大型や超大型という表現がついていたら「台風から離れていても危険」ということができます。一方、強さは「猛烈」「非常に強い」「強い」「なし」の4段階。これは、台風の中心付近の風の強さを示しています。 猛烈や非常に強い台風が近づいてきたら、より被害が大きくなることが想定されます。

■想定される被害「命の危険がせまる」
〇土砂災害
土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域は、なんと全国で約67万8千区域も指定されています。 東京のど真ん中、港区などにも指定されている場所があります。改めて確認しておきましょう。
〇洪水災害、浸水災害
気象庁と県が共同で発表する洪水予報は、大きな河川に限られています。家の近くを流れる多くの中小河川は発表されません。ただ、気象庁のホームページにあるキキクルでは小さな川の水位の状況もリアルタイムに確認できます。台風の時は、こまめにチェックするようにしましょう。
〇暴風災害
 テレビではよく、「予想される最大風速は20mです」などと伝えます。ただ、数字を言われても今一つピンとこないですよね。そういう時は時速に換算してみましょう。ここでいう20mとは「秒速」で伝えています。秒速20mは時速7km、秒速40mなら時速144kmです。どれだけ危ないかイメージできますよね。
〇交通機関の乱れ
鉄道や飛行機だけでなく、物流が遅れたりします。あらかじめ余裕をもったスケジュールに変更しておくことが大切です。

■避難、対処法「事前の準備が重要」
台風は地震などと違って「予測しやすい災害」です。しっかりと情報を入手して、台風への災害に備えることが今できることです。「何日前には何をするか」「何時間前には何をするか」ということを決めておく「防災タイムライン」が重要だと言われています。例えば、3日前には避難グッズを確認する、1日前にはスケジュールを変更する、数時間前には避難をすると決まっていれば慌てずに行動することができます。ぜひ各家庭や企業で防災タイムラインを作ってみて下さい。

テレビ朝日気象デスク 森口哲夫

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