【あなたを守る防災】「猛暑」 災害級“40℃超”の暑さと生きる【予報士のつぶやき】[2023/03/08 19:30]

近年、「災害級」とも表現されるようになった暑さ。気温が40℃を超える事例も増えてきました。気温だけでなく湿度も高い日本の夏は熱中症の危険がとても高いと言えます。今後どのように対策をしたらいいのでしょうか?

■知っておくべき情報「新たなアラートがスタート」
・熱中症警戒アラート
気象庁と環境省が共同で発表する情報です。
単純に気温が高いから熱中症に危険ということではなく、湿度なども加味して考えられた「暑さ指数」をもとに熱中症の危険度を知ることができます。湿度が高いと熱が体から逃げにくく体内に熱がこもります。これが熱中症の危険を高めます。

・特別警戒アラートが新設予定
熱中症対策強化のため、現在の熱中症警戒アラートより一段上の「熱中症特別警戒アラート」を新設する方針です。2024年の運用開始を目指しています。

・大人より子供の方が暑い!!
夏の強い日差しが照り付けるとアスファルト付近は50℃近くに達します。大人より身長が低く、地面に近い子供はより暑さを感じることになります。ベビーカーに乗せているときも注意が必要です。
子供は水分をこまめに取らない、暑さに体が十分に対応できない、体調の悪さをうまく言葉にできないこともあると思います。以上のことからも大人よりも熱中症にかかりやすいと言えます。

・夜間の熱中症にも注意
実は多いのが夜間の熱中症です。寝ている間も適度にエアコンを利用するなど必要です。

・熱中症は子供と高齢者の割合が高い
子供に加えて熱中症にかかりやすいのが高齢者です。高齢者は暑さに対する感覚機能や調節機能が低下します。また体内の水分量も成人のころと比べて下がっていきます。暑さや、のどの渇きを感じにくくなる事などが原因とみられます。令和3年、東京23区において屋内の熱中症で死亡した方の約9割はエアコンを使用していませんでした。


・暑さで交通機関に影響がでることも!
夏の猛烈な暑さで電車のレールが歪んでしまうことがあります。これで電車が一時運転を見合わせたことも。


■対処法「猛暑のレベルアップに対応を!」
・熱中症の予防
日陰を利用 日傘や帽子の活用。水分・塩分補給(のどが渇く前に飲むのがポイント)
屋外での活動は避け、涼しい屋内で過ごす選択も必要。

・熱中症が疑われたら
涼しい場所に移動し、服を緩め身体を冷まします。水分や塩分を補給し症状の改善を見ていきます。ただ、呼びかけに反応しない。身体がけいれんを起こしているなど重症の場合は救急車を呼ぶ必要があります。また自力で水分が取れなかったり、吐き気や頭痛など、身体に異変がある場合も医療機関を受診する必要があります。

(出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル2018」)

テレビ朝日気象デスク 手塚悠介

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