眠らぬクマ “冬眠前”脅威の食欲明らかに 畑に相次ぎ出没…400kg巨大ヒグマも
スーパーJチャンネル
[2023/12/14 20:40]
14日も山梨県の国道で2頭が目撃されるなど、出没が相次いでいるクマ―
冬眠せずに畑を荒らす様子が各地で目撃されていました。
■冬眠前のクマ 高級ブドウ畑に
長野県内のブドウ畑。白昼、茂みに現れたのはツキノワグマです。
ブドウの実を食べる瞬間を居合わせた農家の男性がカメラで捉えました。
クマに食べられたのは、高級ブドウとして知られる「ナガノパープル」です。シャインマスカットも被害に。クマは連日出没。被害額は数百万円に上るといいます。
■市職員が調査 農作物被害「去年の12倍」
冬眠の時期に入っても、いまだ、人の生活園への出没が絶えません。
青森県の下北半島に位置する、むつ市では―
14日、市の職員が調査に乗り出しました。
「野生鳥獣の被害調査を行う。クマも被害が出ていると思うので、その話を聞きに行く」
青森県では、今年、クマ出没件数が急増。去年の3倍に。クマによる農作物の被害は、去年の12倍にも及んでいます。
「畑に行った時に出くわす。遠くに見える」「うろうろしているから怖い。(クマは)逃げない。畑に行けないから畑でやりたいこともできない」
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■眠らぬクマ 畑に6時間居座る■眠らぬクマ 畑に6時間居座る
青森県むつ市のブドウ園に現れたツキノワグマ。
警報音が鳴り響き、一度、この場を去りますが…。
およそ10分後、再びその姿が。警報音や光の点滅を警戒する様子は見られません。
クマは、2週間後にも出没。畑の防護ネットを前足でかき分け、侵入します。
およそ6時間後、ブドウ畑から出てきました。
「この辺りですね。まだ跡が残ってますね。クマがきれいに食べた跡。爪でしっかり実だけとる」
クマに食べ尽くされたブドウは、およそ3トン。このブドウ園で白ワインを作るために育てていた品種です。
ワインに換算した場合の被害額は―
「大体、1000万円の被害額になる試算」
ワインのラベルには、なぜかクマが。
「下北ワイン Danger」と名付け、仕掛けも。
ワインを買った人にクマによる被害を知ってほしいと、クマが畑に現れた時の映像を見られるようにしました。
「注意喚起の意味も込めて、みなさんにぜひお買い上げになった時に裏ラベルも見てほしい」
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■キャベツ畑にクマ“驚異の食欲”■キャベツ畑にクマ“驚異の食欲”
被害は、日本一のキャベツの産地でも―
群馬県嬬恋村で、収穫前のキャベツをむさぼるクマ。畑に顔を突っ込み…周りを気にしながら、食べ続けています。
その後も、同じ個体かは分かりませんが、度々、キャベツを食べる姿が捉えられました。
冬眠前のクマの食欲について、専門家は―
「ヒグマの場合、秋になると急激にたくさん食べて急激に太る。1日に1キロ以上太る時期もあって、最終的にはオスで400キロを超える場合もある」
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■体重400キロ“巨大ヒグマ”■体重400キロ“巨大ヒグマ”
北海道の農作物を食い荒らしたヒグマは、捕獲された時の体重が、およそ400キロ。
その脅威の食欲が明らかに。
北海道では、「デントコーン」と呼ばれる飼料用のトウモロコシがヒグマに食い荒らされる被害が続出。
穴のように見える場所は、ヒグマが食べた跡です。
体重400キロのヒグマは、トウモロコシ畑に出没した際に捕獲されました。周囲では食害が相次いでいたといいます。
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■農耕地がクマの生活圏の一部に■農耕地がクマの生活圏の一部に
クマの生態が変化してきていると、専門家は警鐘を鳴らします。
「農耕地がクマの生活圏の一部になっている。季節によって移り変わる食べ物の一つとして、デントコーンを利用するクマも一定数いる」
■「オリが壊れそう」当時の映像公開
畑に響く、ヒグマのうなり声―
これは8年前の映像ですが、11月、初めて公開されました。
撮影したJAの職員が、この時の恐怖を語ります。
「近づくにしたがって足が震えるくらい怖さを感じた。爪でひっかいたり、オリにぶつかるようなしぐさがあったり、オリが本当に破れてしまうくらいの迫力だった」
今年、市街地でもクマが出没したため、注意を促しています。
「映像を見るだけでも、見た人に伝わるかなと。今年は日本で(クマ出没の)話が多いが、少しでも現状が伝わればと思い、昔の映像だが公開した」
■“冬眠前”の食欲に専門家警鐘
冬でも食べ物を求めて、クマが市街地に出没する恐れが―
「クマは食べ物があるうちはなかなか冬眠しない動物。野生動物は生き抜くうえでエサがある場所を覚えておくのは非常に重要なこと。ここに行けば食べ物が得られるかもと学習すれば、繰り返し出没する可能性はある」