“冬眠せず”玄関でクマに襲われケガ…石川で6年ぶりの人身被害

スーパーJチャンネル

[2023/12/18 20:41]

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急な気温差はクマの冬眠に影響を及ぼすのでしょうか。
この週末、石川県でクマに襲われ3人がけが。宮城県では5日連続でクマが出没しました。繰り返し現れる事態に住民は困惑しています。

■クマ出没3人がけが 警戒続く

石川県の住宅街では、朝から緊張が走っています。

リポーター
「クマが出没した住宅街では警察による巡回が続いています」

金沢市に隣接する白山市。18日朝、冷たい雪が降りしきるなか、児童たちの保護者はクマとの遭遇に不安を抱いていました。

保護者
「本当は12月の時期ならクマも冬眠している頃かなと思うが、結構頻繁に出ているので、一番は怖い。もしもクマに遭遇した時に小さい子どもがいるので、どう対処すればいいのか」

■自宅にクマ出没 玄関で襲われ…

白山市の住宅地では、12月の後半に入ったおととい16日クマが出没。あわせて3人がクマに襲われけがをしました。

本来12月は冬眠の時期ですが、石川県では今年12月の目撃が過去最多の15件。人への被害が12月に起きたのは6年ぶりです。

16日、クマに襲われけがをした67歳女性の家族がその時の恐怖を語ります。

クマに襲われた女性の家族
「向こうに行こうとして体当たりした時に体毛が付着した」

自宅の玄関にはクマが迫ってきた時の生々しい爪痕が残っていました。

クマに襲われた女性の家族
「町内中で『外出禁止』の有線放送が流れていた」

男性の自宅にクマが出没し妹が襲われました。

クマに襲われた女性の家族
「(妹が)入ろうとしたら鍵がかかっていて入れなくて、その時にクマが車庫の奥に」

男性によりますと、注意喚起を受け自宅を施錠。その時に妹が訪ねてきましたが家の中に入れず、車庫の奥にいたクマに襲われたといいます。女性は、ほほと肩、ひざをクマにかまれました。

クマに襲われた女性の家族
「(クマは)警戒感で人を襲う」
「(Q.玄関前で鉢合わせた?)鉢合わせたというかこの状態で後ろから襲われた。幸いなことにクマに襲われたにしては軽傷。もちろん残っているけど けがの痕は」

■宮城で急増…目撃は平年の3倍に

冬眠の時期になっても、眠らずに市街地に出没するクマ。各地で目撃が相次いでいます。

宮城県栗原市、今月12日の映像です。住宅の敷地内にある柿の木にのぼり、後ろ足で器用に立ち上がるクマ。

わずかに残っていた柿の実を食べています。

自宅にクマが出没した住民
「怖い。子グマのようだが近くに親がいるのかと思うと怖い」

住民によりますと、クマは午前7時すぎに現れ一度追い払った後、再び午後3時ごろに
同じ柿の木に出没したといいます。

自宅にクマが出没した住民
「警察、市役所、猟友会がいたが全然逃げる様子はなかった。爆竹を何度も鳴らされてから下りてきて逃げた」

周辺では5日連続でクマが目撃されています。

「まだ冬眠に入っていないんだなと。今この場でクマが現れたらどこに逃げようと考える。背中を向けて逃げちゃいそうな気がする」

■釣り中にクマと遭遇…

突然クマが目の前に出現。その恐れは高まっています。

クマと遭遇した男性
「絶望感。死ぬのかもしれないという恐怖感しかなかった」

長野県内で、渓流釣りの最中に緊迫の事態が。川沿いの茂みからクマが立ち上がる姿を男性が目撃。

クマと遭遇した男性
「もう恐怖しかなかったその時は。後ずさりしてゆっくり下がれるような余裕はなかった」

無我夢中で車まで避難。

その後、車から確認するとクマはくくり罠にかかって動けなかったことが分かりました。

クマと遭遇した男性
「出会って(クマが)近い時は、本当に冷静さを失ってしまう。恐怖感が真っ先にきてしまうので、なかなか冷静な対応はぼくは難しかったので、そういう人が多いのではないかと思う。『油断をしない』ということを一番強く言いたい」

■冬眠せず?5日連続でクマ

なぜ冬眠の時期になっても市街地に出没するクマが相次いでいるのでしょうか。専門家は「暖冬」の影響を指摘します。

石川県立大学 大井徹 特任教授
「18日、石川県はとても寒いが、17日まで暖かかった。秋の最低気温が1℃上昇すると、越冬(冬眠)開始が2日遅れる。冬の最低気温が1℃上昇すると、冬眠期間が6日短くなる。そういうデータもある」
石川県立大学 大井徹 特任教授
「暖冬の影響で秋に十分食べられなかった個体が出没したのではないか。今後の気象条件の推移にもよるが12月いっぱいは警戒が必要」

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