がれき撤去を“阻む壁” 避難した住民の許可取り遅れ…作業に遅れも【能登半島地震】

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[2024/01/31 21:00]

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能登地震の発生から、あす2月1日で1カ月…
被災地では懸命な復旧作業が行われています。
一方、多くの住民が避難を続ける地域では、がれき撤去がなかなか進まない事情がありました。

■壁やふとんなど路上に散乱

能登半島の先端に位置する珠洲市。
倒壊した住宅のがれきが、いまも、道路にせり出したままです。

山木翔遥アナウンサー
「倒壊した住宅のがれきが道にはみ出して車1台がやっと通れる場所というのが かなりあるんですけれども、住民の許可がとれた場所から、重機での撤去作業が行われています」

珠洲市の宝立町 鵜飼地区。
散乱したがれきを、路上から取り除く作業が、1月29日から本格的に始まりました。

壁やふとんなどが路上に散乱
山木翔遥アナウンサー
「住宅の壁やふとんのようなものも撤去されていきます」
珠洲市 都市整備専門員・正司 卓也さん
「今後、電気や水道、下水道の工事を行う際に、重機や色んな機械や車を通したいので道路を広げている」

■撤去まで約1カ月 復旧阻む“壁”

最大震度6強の揺れが襲った珠洲市。
住宅被害は、4815棟に及んでいます。

地震の直後には、津波が押し寄せます。
海外沿いにある「鵜飼地区」。
1月18日のドローン映像では、流された車や、壊れた道路の惨状が分かります。

津波の被害と、地震による倒壊、両方が発生

2週間近くが経った、31日は…

きょう31日の様子
山木翔遥アナウンサー
「1本隣の通りでは、がれきの撤去作業が始まっているのですが、こちらの通りは激しく割れたコンクリートがそのままであったり、津波で流されたとみられる車も手つかずの状態です」

海岸近くの、のどかな道は…電柱が傾き、道路は陥没。住宅も倒壊しました。

震災から、およそ1カ月経った31日も、その状況は変わっていません。

地震発生前
きょう31日の様子

■道路のがれき→敷地に“一時移動”

なかなか進まない、がれきの撤去。手続きに時間がかかっています。

珠洲市 都市整備専門員・正司 卓也さん
「基本的には罹災証明の調査を終えている地域で、それを終えた後にまず区長や地元の人に同意を得られたところを順次行っている」

実は、この作業は、道路に散乱したがれきを、被災した住宅の敷地内に戻しています。

つまり、災害ごみとして、別の場所に撤去しているわけではなく…道路上のがれきをどかすことを優先した、一時的な対応にすぎません。

住宅のがれきは家の持ち主に所有権があるため、自治体は、所有者の同意なく撤去することができないといいます。

珠洲市 都市整備専門員・正司 卓也さん
「皆さん こちら(珠洲市内)に避難している人はよいが、2次避難や遠いところに避難している人は、なかなか連絡が取りづらいので」

地域を取りまとめている区長たちに、協力を依頼しています。

多田さんと正司さん
宝立町 地区自主防災組織・多田 進郎さん
「区長、全部 2〜3日前にOKとった」
正司さん
「本当ですか」
多田さん
「信号あるところから、こっち」「この辺りも区長が了解をとっている」

新たに住民の許可を得られたこちらの地域では、2月上旬から作業を始められるよう調整しています。

  • 手付かずの地域も多い珠洲市
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