『緊急安全確保』も発令…静岡に“予測外”の線状降水帯 関東・九州も大雨に

[2024/06/28 23:30]

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事前の予測情報が出されていなかった静岡県で28日昼前に突然、線状降水帯が発生しました。一時は警戒レベルが最も高い『緊急安全確保』が発令されるなど、危険な状態となりました。

■相次ぐ“浸水”住宅の敷地内も

27日夜から九州に激しい雨をもたらした活発な雨雲が東海にも流れ込み、28日午前11時ごろ、静岡県西部と中部で線状降水帯が発生しました。雨が絶え間なく地面を打ち付け、傘をさした男性が、身をかがめないと前に進めないほどです。

そして、至るところでドライバーを待ち受けるのが道路の冠水です。無事に引き返せた車もあれば、立ち往生する車も…。車を残して脱出した運転手によると、冠水に気づかず、入ってしまったといいます。

立ち往生した車の運転手
「体は大丈夫ですけど、もうびしょびしょ。どうしようもない」

床下が水に浸かった住宅も…。

住民
「(Q.跡が残っている)全部残っている。(Q.寝られなかった)寝られない寝られない。どんどん水が上がってくるんだもん」

去年6月には床上浸水の被害に遭ったばかりだといいます。

住民
「家は直したばかり。(床を)張り替えたのにまた水?って」

■“警戒レベル5”の危険な雨

磐田市内を流れる敷地川と上野部川の氾濫の恐れが高まったため、午前11時過ぎ、流域の1598世帯4180人に警戒レベル5の『緊急安全確保』が発令されました。川の近くの工場には、泥水が膝下まで迫りました。

工場の従業員
「周りもつかってるんで。安全のためにここで」

人々に避難する間も与えないほど急激に強まった雨。線状降水帯を半日前に予測し、発表する仕組みもありますが、今回は発表されることはありませんでした。予測を上回る形で暖かく湿った空気が流れ込み、雨雲が発達したためです。

静岡では12時間の雨量が200ミリを超えたところも。平年6月の1カ月分の7割に相当する雨が一気に降った形です。

雨のピークは過ぎても、影響はしばらく続きそうです。

松本拓也ディレクター
「大雨で道路が冠水した影響で通行止めとなっています。今はかなり水は引いていますが、道路上には泥などが散乱しています。撤去に時間がかかるということで、通行できるようになるのは
29日以降ということです」

近くに住む人
「山の水がいっぺんに用水路に流れこんじゃうもんで。怖いには怖いよね」

■関東に活発な雨雲 九州また大雨

線状降水帯を発生させた雨雲は、関東にも流れ込みました。千葉県市川市では交差点があっという間に水に浸かりました。横浜市でも…。

小古山拓矢記者
「午後1時過ぎのJR桜木町駅前です。排水が追い付かないのでしょうか。地面から水があふれています」

線状降水帯の発生が予測されていた九州。実際には発生しなかったものの、大雨が続きました。熊本では通勤ラッシュを直撃。列車の運転見合わせが相次ぎました。佐賀では雨の影響とみられる倒木により道路も寸断されました。

近くに住む人
「ガシャーンと音がして。不気味な音でした」

鹿児島では…。

所村武蔵アナウンサー
「姶良市内を流れる川ですが、雨の影響で非常に激しい流れとなっています。水も茶色く濁り、白い波を立てて荒ぶっています」

連日の大雨に住民の不安も募ります。

川の近くに住む人
「もうずっと毎日降っている。坂までは(水が)ちょっと上がってくる」

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