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「暑さ指数って湿度が7割も影響するんでしょ。湿度100%の時が一番危ないの?」
先日、筆者はこんなことを聞かれました。答えは正確にはNOです。よく暑さ指数について「湿度7、輻射熱2、気温1」の割合で影響していると説明していますが、これは正確ではありません。
■暑さ指数とは
環境省のHPを見ると、以下のように記載されています。
(屋外での算出式)
WBGT(暑さ指数)=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
実はどこにも「湿度」とは書かれていません。「湿球温度」というのが「湿度」と大きく関係しているのです。湿球温度とは、水分が蒸発した時の冷却熱を考慮した温度で、空気が湿った時ほど高く、乾燥した時ほど低くなります。詳しい算出方法は省きますが、湿度100%であれば湿球温度は通常よく使う気温(乾球温度)と同じです。
冒頭の質問を考えてみましょう。計算式では湿球温度に0.7をかけています。
湿度100%気温30℃の湿球温度30.0℃×0.7=21.0℃
湿度が80%気温35℃の湿球温度31.8℃×0.7=22.3℃
「湿度100%気温30℃」より、「湿度80%気温35℃」の方が暑さ指数に対する影響が大きく危険なことがわかります。やはり気温の影響が大きいのです。
湿度100%気温30℃の湿球温度30.0℃×0.7=21.0℃
湿度が80%気温35℃の湿球温度31.8℃×0.7=22.3℃
「湿度100%気温30℃」より、「湿度80%気温35℃」の方が暑さ指数に対する影響が大きく危険なことがわかります。やはり気温の影響が大きいのです。
単純な湿度だけが影響するなら、冬場にも湿度100%の日はありますから危険になってしまいますよね。なお、黒球温度とは輻射熱を考慮して直射日光や周囲の熱を吸収して到達する温度を示しています。暑さ指数を正しく理解して、熱中症を予防していきましょう。