17日は夜になっても気温が下がらず、各地で熱帯夜となりました。18日も各地で厳しい暑さが予想されていて、山梨・愛知・三重・和歌山・福岡に熱中症警戒アラートが発表されました。
■午前6時半の六本木 手元温度計30℃超
深夜でも手元の温度計で28.2℃を記録した東京・六本木。夜が明けても…。午前6時半、手元の温度計を見てみると、すでに32℃を指しています。
「(Q.夜の気温はどうだった?)蒸し暑さは感じました」
「夜暑くてしょうがないから裸で寝た」
異常な暑さは、17日の朝から始まっていました。
「急に、梅雨だったのにこんなに暑くなってやばい」
「きょうもう帰りたいです」
17日、全国65の地点で猛暑日となった日本列島。救急搬送される人も続出しました。
静岡などでは熱中症とみられる症状で死者も出ました。
■各地で体温超え暑さ 甲府市38.2℃
「超暑いです。今疲れているから暑い」
17日、37.1℃を記録した群馬県の前橋や、全国2番目の高さとなる37.7℃を記録した高崎。さらに山梨県の甲府では、全国一の最高気温38.2℃を記録しました。
各地で“体温超え”の気温が続出し、“灼熱(しゃくねつ)の梅雨”とも言える状態になりました。
「地面からも空からも焼かれているみたいです」
「鉄板に挟まれているみたいな感じ。それぐらい暑いです」
「きょう外で仕事だったんですけど、水分不足で足つっちゃって大変でした。汗がすごくてトイレにも行きたくなくて、汗で(水分が)みんな出ちゃう」
危険な暑さのなか、17日は全国各地で熱中症患者の搬送が相次ぎました。
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■熱中症疑い66歳 救急要請で緊迫の現場■熱中症疑い66歳 救急要請で緊迫の現場
最高気温37.1℃を記録した群馬県桐生市。その消防本部では、朝から救急要請が続いていました。
日が暮れ始めた夕方にもかかわらず、熱中症疑いの救急要請。現場へと急行します。
救急隊員に抱えられ、家の中から運び出される男性。救急要請からおよそ10分。救急車の中へと運び込まれます。
「(部屋は)暑いし汗がかなりビッチョリなんで」
「ひざ立てて!ひざ立てはOK。まひは無さそうですね」
「お名前教えてー」
救急隊員の呼び掛けに反応するものの、男性はうまく話すことができません。
「66歳男性の方なんですけれども、熱中症疑い、それと軽い言語障害の患者さんの収容依頼です」
近くの病院に受け入れ要請をしますが…。
「(受け入れ)OK?」
「いえ、ちょっと対応ができないってことですね」
「厚生(病院)がダメなんで、太田記念(病院)に行きますか?」
「そうだね。一応脳卒中も考えておいてだね」
熱中症だけでなく脳卒中の疑いもあるため、およそ20分かけて、隣町の太田記念病院まで搬送することに。対応した隊員はこう話します。
清水公英救急救命士
「家の中はクーラーもきいていませんでしたし、ちょっと汗もいっぱいかいていましたので。口が渇いてしゃべれなかったり、有効な水分補給をしていないと、どんどん体にダメージがきて、夕方に熱中症の症状が起きることも」
静岡県では、70代の女性が畑作業中に倒れ、その後死亡が確認されました。熱中症とみられています。
その他にも埼玉など、全国で合わせて4人が暑さの影響で死亡しました。
■医師「体に暑さをため込まないこと重要」
埼玉県熊谷市にある病院でも、救急搬送が相次ぎました。
昼過ぎに買い物をするため家を出た後、頭痛や手のしびれなどを訴え、熱中症の症状で救急搬送された70代の男性。家では、エアコンをつけていなかったといいます。
「エアコンそのものはあります?」
「あります」
「あまり好きじゃない?冷えるのが」
「はい」
「本当は夜もね、暑くなってきているからエアコンつけた方がいいですね」
自転車を押して歩いていて倒れてしまったという90代の女性や、買いものを終え帰ってきてから熱中症の症状で救急搬送された人もいました。
こうした熱中症の危険は、患者を運ぶ救急隊員も例外ではありません。
群馬県太田市の消防本部。17日は救急搬送の要請が相次ぎましたが、救急隊員自身もケアを怠りません。
徳江由里さん
「水分を救急車の中に個人個人で持っていたり、クールベストを着たりとか、適宜水分をとって休める時に休んでという状態をとっております。(熱中症は)どなたでもなるということを認識していただいて、水分補給をして、休める時に休んでいただいて」
熱中症対策を熟知する医師は「体に暑さをため込まないこと」が重要だと指摘します。
伊藤博道院長
「例えば真夏日や猛暑日が3日連続あると、1日目よりも2日目、2日目よりも3日目の方が患者さんの数が増えたり、重い患者さんが増えてくる傾向にあります。きょう(体に)ためた暑さは、またあすに引き継ぐことがありますので、夜いかに体にたまった熱をリセットするか。それはやっぱり大事かなと思います」
ためた暑さをリセットするため、エアコンをうまく使うことが必要だといいます。
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■高齢男性 暑すぎて初のエアコン起動■高齢男性 暑すぎて初のエアコン起動
「(Q.エアコンはつけないんですか?)(エアコンは)つけねぇ。つけたことねぇから」
37℃を超え、猛暑日を記録した群馬県伊勢崎市で出会った85歳の男性。普段からエアコンは使用していないといいます。
自宅を訪れると、部屋の中は熱気がこもっていました。普段は窓を開け、暑さ対策しているといいますが…。
「(Q.お父さん、けどちょっと汗かいていますよ)そりゃ汗かくさ。家の中暑いんだから」
男性の顔にはジワリと汗がにじみます。時折、乾いたタオルで汗をぬぐう様子も見せていました。
窓は開けたものの、部屋の温度は外の気温と同じ34℃。季節外れの暑さにさすがの男性も、今年初めてエアコンをつける決断をしました。
「今まで我慢していたけど、もし危なくなった時、つけた方がいいんじゃないかな」
しかし、久しぶりにエアコンをつけようとするもリモコンが見当たりません。
リモコンを無事に発見。いよいよエアコンをつけようとしましたが、リモコンが使えず。その後、電池を入れていざエアコンを起動します。
「涼しくなってきた。いいね〜」
「(Q.これからはエアコンを使う?)うん」
■建設現場の最新対策はシャンプー!?
建設現場では新たな取り組みが行われていました。
「こちらの数値(暑さ指数)が現在30ですけども、28以上になりますと、1時間に1回休憩していただきたいという表示になります」
今月から企業は、作業環境の改善、休憩時間の確保などの熱中症対策が義務化されました。
暑さ指数が28以上または気温が31℃以上で、連続1時間以上または一日4時間を超える作業では、事業者が適切な対策をとる必要があります。
休憩中、作業員がやっていたのはシャンプーです。
「気持ちいいです」
「(Q.リセットできる?)最高です。リセットできます。なかなかこういう環境ってないと思うんで。本当に素晴らしいこと」
他にも、休憩所にはミストを設置。製氷機や冷たいウォーターサーバーなどが常備されています。
さらに、現場での事故を見落とさないため、ライブカメラによるモニタリングを実施。気象データとともに管理され、暑さ指数が危険に達するとランプで知らせる仕組みも始まっています。
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■うなぎ焼き場はサウナ状態■うなぎ焼き場はサウナ状態
熱中症が懸念される厳しい暑さのなか、地元で40年以上続くうなぎ店「うなぎ大和田」には、精をつけようとうな重を頬張る人の姿がありました。
「(Q.うなぎの味はいかが?)大変おいしいです。最高です」
「ちょっと夏バテぎみだったので、うなぎを食べたいなと思って。もうほんとにふわふわでおいしいです」
秘伝のタレがしっかりと染みた大ぶりのうなぎは、身がふわふわ。そんなうなぎを焼き上げる焼き場では…。
「(Q.かなり熱気が来ますね)そうですね。ロウリュみたいな感じですかね」
エアコンはつけているものの、熱気によって焼き場はさながらサウナ状態。どれぐらい暑いのか、サーモグラフィーで見てみると、焼き場に向かっている体は真っ赤で、全面が炎にさらされている状態です。
この日の伊勢崎市の最高気温は37℃でしたが、焼き場はそれより高い51℃まで上昇していました。
「(Q.火の目の前にずっと立っている感じ?)そうです。もう(焼き場を)全部使う時ってのは囲まれるんですよね、火に。そうするとまたさらに一層体感温度が上がって、もうすぐにのどが渇くっていう感じで。仕事している間に(お茶を)3、4リットル飲んでると思う」
■避暑シェルター 1カ月前倒して開設
“熱”を帯びた場所がある一方、“涼”を求め市民が集まる場所も。信用金庫の一角に、避暑シェルターを開設。冷たい水やおしぼり、塩あめを無料で提供しています。
「冷たいのがうれしいかな。心遣いがすごいなって思います」
「やっぱりこういうものが設置してあると、とってもうれしいですね。外も暑いですし」
去年より1カ月前倒して開設しました。理由について担当者はこう話します。
「ここ2〜3年、特に6月ごろから、もうかなりの気温の高さなっていますので、その辺を踏まえまして(去年より)前倒しで実施させていただいております」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年6月18日放送分より)