これまでの記事で見てきた通り、今回の変更で、警報と避難行動が明確に紐づけられます。警戒レベル4相当の危険警報までに、避難を完了させることが大切です。ただ、気象庁の情報だけで、自主的に避難を始めるというのも難しいかもしれません。気象庁の情報に頼り切らず、周辺の状況を見てどのくらいの危険が迫っているかを自ら知ることも大切です。
土砂災害の前兆は音と水
・山全体がうなっているような音がする(山鳴り)
・崖から音がする
・風もないのに山の木がザワザワする
・木が裂ける音がする
・小石がパラパラ落ちてくる
・家や擁壁に亀裂が入る、傾く
・川の水が濁る
・流木が流れてくる
・大雨が降っているのに川の水が減る
(上流が土砂や流木でせき止められている可能性があります)
・湧水が増える
・今までと違う場所から水が湧き出る
・泥臭いにおいがする
・腐った土のにおいがする
河川氾濫(外水氾濫)の前兆は?
氾濫には、河川の水があふれる外水氾濫と、下水道や排水路の処理能力を超える大雨により街中に水があふれる内水氾濫があります。外水氾濫を引き起こす水位の上昇は、直接、川を見に行かなくても分かります。国土交通省のHP「川の防災情報」では、近くの観測地点の水位や、現在の様子が分かるライブカメラを多数見られます。絶対に川の様子を直接見に行かないようにしてください。HPをみて水位がレベル4相当の氾濫危険水位を超えているようなら危ない状況になっていると考えてください。
内水氾濫の前兆は?
内水氾濫は、急激な大雨で下水道などの排水能力を超えたときに水が溢れて、道路や住宅地などが浸水する現象です。多くの自治体では、1時間に50mmの雨に対応できるような施設を整えています。ただ、枯葉やゴミなどで側溝が詰まっていると、少ない雨でも浸水しかねません。気象庁のHPでアメダス1時間雨量を確認し30mmを超えているようなら自らの周囲の状況を直接確認してください。地下施設などにいると雨の状況に気づきにくいので、規定雨量を超えたらメールを受け取れるような民間の気象会社のサービスなどを活用することが有効です。周囲の状況を確認して、次のような状況になっていたら、まもなく浸水してしまう可能性が高いです。
・側溝やマンホールから水が溢れている
・道路が冠水している
・排水溝からゴボゴボと音がする
・トイレや風呂場の排水溝から水が溢れてくる
住んでいる地域の目安の雨量を知る
どの程度の雨が降ったら災害につながりやすいのかは、地域によって違います。西日本は比較的大雨に強く、100mmくらいの雨で災害が発生することは稀ですが、北日本は比較的少ない雨でも大雨災害につながることが多く100mm程度の雨でも危険です。一般的には、年間降水量の1割が1日で降ると災害発生の危険性が高まると言われています。年間降水量の平年は鹿児島で2434.7mm、東京で1598.2mm、札幌で1146.1mmです。天気予報では、よく今後24時間の予想雨量を伝えています。ご自身の地域の年間降水量を調べて、1割を超える雨かどうかを一つの目安にしてください。
次回第9回は「今すぐやる 命を守る防災4ステップ」をお伝えします。
テレビ朝日ウェザーセンター
気象予報士 森口 哲夫