危険なご当地走り…強引な右折「茨城ダッシュ」外国人も驚き「岡山ルール」【詳細版】

[2023/12/25 08:48]

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 帰省や旅行で慣れない土地で運転する機会も増える年末年始ですが、気を付けなければならないのが危険な「ご当地走り」です。日本各地域で習慣として根付いていて、山梨県「山梨ルール」、茨城県「茨城ダッシュ」など数多く存在しています。事前に知っておかないと思わぬ事故に巻き込まれてしまうかもしれない、危険なご当地走りとはどういうものなのでしょうか。

■全国各地「危険なご当地走り」最多は?

 青信号になり、直進するバイク。その前方には、すでに交差点に進入し右折を始めた対向車が…。これは愛媛県で頻繁に見られる「伊予の早曲がり」と言われるご当地走りです。

松本走り

 長野県松本市では同様の「松本走り」があり、茨城県では「茨城ダッシュ」と呼ばれています。

「茨城ダッシュ」話題に

 今年、グーグルのインターネット検索サイトでは、都道府県名と一緒に検索されたキーワードで「茨城ダッシュ」が1位となるなど、話題となりました。

「強引な右折」罰則対象

 全国各地の危険なご当地走りで、最も多いのがこうした「強引な右折」。道路交通法では右折車が交差点などで直進車の通行を妨げてはならず、強引な右折は罰則の対象となります。

 茨城県では去年、信号のある交差点で起きた人身事故162件のうち120件、実に7割以上が「右折時の事故」でした。

■危険な「山梨ルール」市内交差点を観察

危険「山梨ルール」

 強引な右折のご当地走りは、どれくらい頻発しているのでしょうか。番組は山梨県甲府市を取材しました。こちらでも、通称「山梨ルール」という危険な運転が根付いてしまっています。

 交差点を撮影していると、直進車のわずかな隙間に右折していく車。さらにスタッフが取材中、交差点の手前でこちらに向けてなぜかパッシング。

地元タクシードライバー
「行かせてくれたと思ってんだよね」

 直後に、直進するスタッフの乗る車の前を強引に右折していきました。

地元タクシードライバー
「“オーラ”が出てますよね。『私は右折するんだから、あなたたちは譲ってくれなきゃ』みたいな」
山梨県民(20代)
「普通は(右折)が来ないと思って行くので、行ったらたまたま来て、『おお!』みたいな感じで、急ブレーキをしたというのが何回かある」
交差点にカメラ設置

 山梨ルールには別の特徴もあります。市内の交差点に定点カメラを設置し、車の動きを観察してみると…。

 右折信号を待つ画面左下の車が矢印信号で右折を始め、1台、2台、3台と右折が続きます。5台目で信号が黄色に変わりますが、後から6台、7台、8台。横の信号が青になっても、右折は続きました。

後続車は信号無視

 ひどい時は、自転車の男性を巻き込みそうにもなりました。このパターンは、ほとんどの場合で見られ、後ろの2、3台は信号無視の状態でした。

■危険!「岡山ルール」の特徴とは?

“岡山ルール”とは?

 さらに、別の地域にも危険なご当地走りが存在します。それが“岡山ルール”です。

 ドライブレコーダーで撮影した動画をSNSに投稿している岡山在住のカザフスタン人・ローマンさんは、独特の日本語で危険な運転を動画配信し、啓発しています。岡山ルールはウインカーを出さないという特徴があります。

■年末年始は事故多発…ご当地走りに要注意

交通事故原因は岡山ルールか 岡山県警

 去年、岡山県は10万人あたりの交通事故死者数が全国ワースト1位。岡山県警はこの原因が岡山ルールにあるとみています。こうした運転が定着した理由について、ローマンさんは次のように分析しています。

ローマンさん
「岡山はそんなに(道が)混んでない。難しい交差点があまりない。だから、一部の人はウインカー使うの面倒くさい。だから、マナー悪くなる」
「ご当地走り」撲滅が難しい現状

 れっきとした交通違反のご当地走りは罰則の対象になりますが、風習として根付いているため、撲滅するのが難しいのが現実です。

交通事故の死者数

 1年を通して車の交通事故が最も多いのは12月。年末年始で帰省や旅行に向かう人は、慣れない土地での「ご当地走り」には注意が必要です。

(「グッド!モーニング」2023年12月25日放送分より)

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